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【復刻】 123 過去を捨て去ることの必要性と難しさ その 2 20001007

20世紀の後半に発生したソ連の崩壊は、意外な結末だった気がする。共産主義の唱える、資本主義の中での階級対立として捉えた(国際)社会が、固定化されすぎてしまったということである。すなわち時代の変化に伴って資本主義が形態を変えてゆくのに伴い、資本家なる実態が、単なる資本に基づいた支配階級という固定化したものでなくなってしまったところが、共産主義者の見誤りの一番のキーポイントだった気がする。要するに、共産主義の基本概念が(経済原理だけに基づいたために)空洞化してしまったということである。それに引き換え、共産主義自身といえば、人間の本質が変わったのではなく、古来からの人間の性(さが)である理論よりも利に敏い人々を輩出したし、人民のためといいつつ、官僚機構は歴然として、権力をもって君臨した。これが、経済原理とは別のところで着実に変化し、人類の大きな流れである自由・平等への動きに逆行し、人々から見放されたということである。しかしこれは対立が解消されたということではなく、共産主義が指摘していた構造は、すでに実体がないものに変化していたということである。すなわち、動いている社会は時々刻々変化をしているということである。これからの社会もこのように、新しい動きが出てきては、旧来のものと突き合わせることにより、相互に切磋琢磨しつつ、かつ淘汰が行われる社会になるに違いない。

 

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【復刻】 122 過去を捨て去ることの必要性と難しさ その 1 20000930

日本の政治や、経済の中での考え方が現在大きく変わろうとして来ている。これは小泉首相という、戦後には類まれな「国民に負担を強いることを知らせることが、自分の職務」と考えている人の存在が大きい。そして、過去のいくつかの既得権にも大きく改革の手が入ろうとしている。中味を良く見ると、過去のロジックが破綻していることが目に付く。例えばであるが、石油公団のあり方に対しては、批判は数多くあったものの現実的な施策にというところまでは来ていなかった。また道路特別会計を廃止するということなどは、大英断といっていいだろう。自民党の中からそのような動きが出てきたことが、時代の変革への動きということにつながることを示している。

 

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【復刻】 121 20世紀から21世紀へ 20000924

20世紀がどんな時代であったのかと言うことを、大分前から考えてきたけれど、ひとつ大きな特色は、物質と言うものをかなりのところまで、コントロールしてきたことが言えると思う。象徴的な出来事のひとつは、コンコルドの終焉である。人類が空を飛ぶことを可能にしたのが今世紀の初めであったが、スピードの向上はほどほどのところ、音速以下であったという結論になるであろう。経済性と言うのは、物質と交換する関係を指すわけだから、その意味でも、物による限界を極めたことになる。もうひとつの、物質の出来事で今世紀に起こってしまったのは、ヒトゲノムの解析終了宣言である。私は、このことは21世紀のことと思っているうちに、今世紀の出来事となってしまった。これも、生体を物質として捉えると言う点で、物質的なアプローチの成功事例と言えるだろう。このことから、私は20世紀が物というものを、とことん突き詰めてきた時代だと思う理由である。

 

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【復刻】 120 Topというもの 20000916

シドニーオリンピックが始まった。このWeeklyも実は、1996年のアトランタオリンピックが終了してから、最初はCharlotte Weeklyという、米国文化、習慣の紹介レポートのようなものから始まったわけだから、かれこれ4年経ったというわけである。当時のレポートもいつか紹介できる機会があると思うが、時は着実に経っているのを感じる。オリンピックは世界各国から、Topのプレーヤー達が集い、世界一を争うわけであるから、文字通り実力のTop争いが、目的であり、そこでの勝者はTop中のTopとなる。これを、ついつい事業のTopや他のスポーツのTopと比較したくなる。ここでは、閉鎖系社会のTopとオープン系の社会との比較で考えてみたい。

 

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【復刻】 119 変化の時代と勉強について 20000905

変化の時代に生きる生き方には、いくつか方法がある。ひとつは、昔のままを続けるという、マイペース型である。もうひとつは、回りの動きを見ながら、自分も進むというという、他人追従型である。
そして、3つめが、自分からその時代の動きに、積極的に参加して行くという方法である。これらが、今後起こるであろう動きに対して、どのような意味を持つのか、考察してみたい。

 

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【復刻】 118 20世紀という時代 20000626

20世紀という時代も、いよいよ終わりが近づいてきた。この時代を振り返ってみると、大きな時代の転換が現れているように思う。特に顕著なのは、最後の10年間が、時代を締めくくる動きをしていることだと思う。週刊シリコンバレーという、メールマガジンの100号記念でもある本号で、まとめてみたい。(週刊シリコンバレーという名前をはじめて聞く方には唐突ではありますが、「まぐまぐ」というメールマガジンでこのWeeklyを配布している時の名称です)

 

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【復刻】 117 スポーツとビジネス その4 20000619

状況の変化に対して、各種チームプレースポーツがどのように対応するかを比較してみると、監督采配型と、監督以外の現場指揮者采配型と、個人に任せると言う3つに分けられるように思う。1番目の監督采配型は、野球のみが持つ特質のような気がする。チームのためと言う理由で、監督から指示が出れば、強打者がバントをさせられることもあるし、投手が強打者を敬遠することもある。
監督の独裁的裁量ですべて決まるスポーツである。すべての選手の顔はは監督に向いている。
現場指揮者采配型のスポーツは、アメリカンフットボールが一番明解であると思う。バレーボールも一部アタックの時にフォーメーションをかけるのは、現場指揮者采配型である。その他はというと、選手一人一人が、自分で判断するというケースになる。これは、とても面白いことだと思う。

 

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【復刻】 116 スポーツとビジネス その3 20000729

スポーツとビジネスの関連を、組織運営として、内部から考えることとする。プロのチームであれば、オーナーが経営者(CEO)となるし、監督はCOOに相当するポジションであろう。COOの元には、選手が直結している場合が多いが、場合によると途中に、主将と言う人がいることもある。(野球、バレーボールなど)アメリカンフットボールはやや違っていて、攻撃の時だけクオーターバックという選手が出てきて、ゲームは彼の指揮の元で進められる。守りの時にはそのような人はいなくて、現場の選手に一任される。ここで考察を加えるのは、監督指示がすべての野球と、現場判断が中心のサッカー、ラグビー、バスケットボール、そして特別に造られたアメリカンフットボールに分けることとする。

 

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【復刻】 115 スポーツとビジネス その2 20000722

スポーツとビジネスという視点でものを考えてみると、個人プレーとチームプレーを分けて考えなければならないことがわかる。個人プレーの種目は、個人経営のビジネス組織であり、これは顧客と株主と、経営者の関係さえきっちりできれば、機能する形に似ている。そして個人の資質や努力ががそのまま成果に反映されることが多い。組織プレーを考えると、これは通常のチームプレーで行われるスポーツに相当する。チームプレーは多くの場合、監督がいて選手がチームを組んで、相互に競い合うと言う点でどのスポーツもかなり共通していると考えられる。そうすると、個人とチームの関係や、チームと株主、社長、社員などの関係を明確にすることが、そのまま仕組みの比較になる。ここでは、組織の役割を考察することを目的として、プロのチームスポーツについて検討してみることとする。また、スポーツで成果をあげるためにしなければならないことを考察することは、ビジネスをする上で必要なことを見定めるために、大いに役立つことがわかる。

 

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【復刻】 114 スポーツとビジネス その1 20000715

スポーツは、戦いのシミュレーションとも言われるし、またビジネスの動きと似ているところもある。今回はスポーツを時間と言う観点で考えてみて、ビジネスとの共通点や、あるいは成果の出し方がどのように関連しているかを考察してみたい。個人プレーとチームプレーについても考えてみたい。

 

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【復刻】 111 教えることと学ぶこと 20000623

教えることと学ぶことは、一対の言葉のように考えてきたけれど、どうもこれは考え方が違うようだ。以前は、教える人に教えるものがあったと思っていた。たとえば、掛け算とか、飯盒でご飯を炊くと言うような技術がそうであった。しかし、技術という中に盛り込まれない事柄、たとえば、政治家と芸術家はどちらが世界平和に貢献しているか判断する基準とか、プロスポーツ選手と経営者は稼ぎ高が大きければ優秀と評価して良いかなど、教えることの難しいことがたくさんあることがわかる。社会生活をしていると教えることができない項目のほうが圧倒的に多い事がわかる。そのときに人は、何から学んで何を考えるであろうか。ここに、教えられないことを学ぶということが発生するし、それが結果的に人間の価値観の多様性を生み出すこととつながっている。教えることを考えてみれば、教える人が意図したことがそのまま伝わることもあるし、逆に学ぶ側からは反面教師として、教える人から学ぶことも多くある。ここでは、個人がどのように学ぶことと向き合っているのか考えてみたい

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【復刻】 110 マネジメントと管理 20000617

マネジメントという言葉ほど、なじみがある割には意味がはっきりとしていない言葉はない様に思う。通常日本語に訳されると、経営とか、管理という言葉になるが、まず、経営と管理とは大きく意味が異なる。経営は目的であり、管理は手段というのが大きな違いで、この差が日本語での使われ方に大きな違いを発生させているように思う。ITの利用や、Win-Win思想が主流となった現在の状況から考えて、どのようにマネジメントあるいは、管理というのを考えるのが好ましいのか、考察する。

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【復刻】 109 ロジスティックスの重要性 20000610

ロジスティックスは、兵站(へいたん)とか訳されるが、今だなじみが薄い言葉である。最近では物流という言葉の意味でも使われることがある。前線に物資や兵員を補給するシステムを指し示す言葉である。歴史を振り返れば、太平洋戦争で日本軍と米軍の戦争行動の大きな違いはロジスティックスにあったと思うしもっとさかのぼれば、元寇のときにも元軍は単身日本に攻め込んできた。背後に補給システムが無いから、元軍は日本に上陸したとしても、戦いを続けることは不可能であったと思う。このように補給ということを取り上げてみると、ロジスティックスというのは、生死を決する重要な事柄のひとつである。Net時代にはどのように考えるのか、考察してみたい。筆者は戦争肯定者ではないが、戦争で説明するのが最もわかりやすいので、それでたとえてみたい。

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【復刻】 108 経済効果について 20000603

経済効果という言葉は、定義を明確にしないとあいまいになってしまうけれど、米国をはじめとする各国が好景気の持続をしていることを横目で見ると、日本の景気対策は何かおかしい気がする。それはひとえに、直接支出が経済効果を生み出すと考えているためではないかと思い始めた。今、ベンチャーだとか、E-Businessのような言葉が飛び交って、つい先ほどまではNet株が高値をつけていた。しかしその実態は必ずしも、経済効果を生み出すほどのものではなかった。これは、今までの支出の仕組みを考えれば、やむをえない帰結である。すなわち、既存の延長にしか支出をしないで、ベンチャーの人たちがんばってくださいというわけである。今までの経験で言えば、ベンチャーを始めるための建物を用意してから、さあベンチャーを始めてくださいというわけである。各地方にある建物は、そんなでき方をしているから、管理費も高くて肝心のベンチャーが入れないと言う笑い話まであるくらいである。ここでの、経済効果は建築にかかった資材と、労力の合計であろうし、完成した後の資産価値は、その中に入った人たちの支払う家賃分と言うことになる。
もう少し考え方を広げてみよう。通信分野でNTTとかDocomoとかが経済効果を大きく出しているともてはやされている。しかし、通信と言うのはインフラのひとつであり、あくまでも手段である。世界はこの手段を使っていかに価値を生み出すかでしのぎを削っているわけである。このコストが高いと、世界に価値競争のできるビジネスが生まれないことになる。これを少し考えてみたい

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【復刻】 107 企業トップの持つ役割 20000627

ネットワーク社会がだんだん見えてくると、会社のトップによって対処する手法や考え方や戦略が違うことが企業の方向性を決める上で大きな差になってきているように思う。これからの時代はいかに「個」の持つ多様性を企業の中に取りこむかという点がポイントになるからだと思う。言いかえると、ネットワークと言う「個」が介在して成立する仕組みに、どのように企業としてそれらの「個」に対して求心力を持たせるかということである。こんなことを考えていたら、書店で月刊文藝春秋の6月臨時増刊号は「どうする?どうなる?私たちの21世紀」という特集を見つけた。以前ご紹介したIMD(国際マネジメント研究所)のデータも特集されていて、世界の視点からの日本の現状が、良くわかるようになっている。ぜひご一読いただきたいと思う。

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【復刻】 104 企業文化とカルチャー 20000621

米国の会社が新しいカルチャーを創出しているのは、目新しいことではない。エンターテイメントというものを、文化として定着させたのは米国の20世紀の大きな発明であったわけで、その延長上に企業が発信して行けば、企業からの文化あるいは、作られたカルチャーへとつながることになる。いくつかの例を見て、 ヴィジョンというものが与える影響の大きさを考察してみたい。

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【復刻】 104 帰属と自立 20000422

人間の心理や行動のなかで、帰属ということがとても大きな意味を持つことに気がつく。これは、民族によりパターンは異なるかもしれないが、ひとたび帰属が決まると、人間は、個人のときにはしないような奇妙な行動をとることがある。集団意識と呼ぶのか、帰属意識と呼ぶのか学問体系的なことは私には良くわらないが、場合によると同じ民族が東と西、北と南に別れてしまったばかりに、それまでは仲間であったはずの、お互いが戦争をしたりするし、幾つかの組織では社会的には認められないような行動をしている。政治や行政など、集団になっていると世間のルールと内部のルールとが一致しないことすら起こっている。これについては、所詮組織とはそんなものさ、と言う片付け方ではなく、自立という観点から考えてみたい。

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【復刻】 103 理解と信じること 20000411

理解することと信じることの間には、大きな壁がある。あえて、どちらが先かと言うと、私は信じることのほうが理解を超えていると思う。理由は、私はPCを使うことに抵抗がない。自分では正しく作られていると検証できなくても、正しいと信じているからである。そう言えば、時々不正な処理が行われました。製造元に問い合わせてくださいとかいう、メッセージが出てくる。MS Officeを使っているときに、これが出てくると、またビルゲーツの手抜きだと思いつつも使ってしまうし、ビジネスでの利用で問題になるとは思ってもいない。このあたりは実に心もとないが、私がPCを信じている現状である。これは、技術的な点からであるから、出来事は比較的ビジネスライクで済ませることができる。信じるという、別の側面についてはどうであろうか。有名な話ではダーウィンの進化論を信じない人々が米国にはまだまだ、たくさんいると言う。車の後ろにそのシンボルマークつけている人もいる。今回はこのような点に見られる、理解というものと信じるということが、時として離れてしまうのはどうしてか考えてみたい。

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【復刻】 102 第六感なるもの 20000404

前回は、アナログとデジタルということで、人間はデジタルという要因から成り立っているということを述べたが、デジタルの認知系とは別なのかどうかわからないけれど、無意識のうちにデータ処理をして、ある決断や、判断をするということが経験的に良くあるように思う。もともと、人間の行動や
思考は必ずしもロジカルではない。振り返ってみるとなぜあんな理屈に合わなかったことをあの時してしまったのだろうか、なぜ右に行くはずの道を左に行ったのだろうか、など日常的な事柄では数多くあるように思う。私などなぜこんなにPCを買ってしまったのだろうかと、狭い部屋に並んだマシンを眺めてそう思う。これは、判断がロジックばかりでは成り立っていないということから由来していると思う。その中で、第六感なる多分人間だけがもつ、判断ルールを考えてみたい。先ほどあげた例は、第六感と言うよりは「ぼんやり」に近いけれど、人間の行動様式を考える上では第六感も重要な存在だと考えられる。

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【復刻】 101 アナログとデジタル 20000331

ヒトゲノム解析も、セレーラジェネティックスの奮闘で、国家計画よりも早く全体解析が終わろうとしている。この解析結果が人類に与えるインパクトは予想がつかないということになっているが、いずれにしろ、人間の生体内たんぱく質合成の基本メカニズムが判るのであるから、病気の治療という応用分野のみならず、世界観にまで影響することになると思う。いずれにしろとんでもない時代になったことを痛感する。これも、デジタルという手法が活用されて展開した部分であるので、人間とデジタルのかかわりを考えてみたい。デジタルとは、ここでは分離して数えられるもの、アナログとは連続的でどこまでも切り分けることが不可能な状態と考えることとする。

 

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【復刻】 098 目利きと、プロ 20000220

米国の株式市場を見ていると、良くもまあ高い株価を維持できるものだと感心します。それをネットバブルと呼ぶ人達も、少なからずいます。今回は、なぜ米国がこのような経済活性化を成し遂げたのかを見たいと思います。特にシリコンバレーは21世紀型ビジネスモデルとして起業の創出に大きな役割を果たしています。それをつきつめてゆくと、個性の尊重が大きな役割を果たしている事がわかります。これを、検証してみたいと思います。日本でも、思想としてはなかなか面白いものがある事も、あわせて検討してみたいと思います。

 

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【復刻】 097 Y2Kで考えたこと、など 20000213

Y2Kは、大過無く過ぎたというのが実感です。その準備の過程や結果を見ると、生きて行く上での重要なポイントが見られたと思います。大きく見ると2つあると思います。まず、どんなことが起こるかという仮説をつくることと、おきた場合の対処の方法、そして2番目にはその対応を、ネットワークで共有化したことだと思います。世界中において、それぞれの部署であるいは、個人が同時にできたということが、大きな意味を持つことだと思いました。そのプロセスと意味を考えてみたいと思います。

 

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【】復刻 082 サービスの世界 19990619

サービスの質が高いと、とても快適だと言うのを実感します。それは、相手をしっかりと見てその人に必要なサービスをするからだと思います。たとえば、私のようにタバコを吸わない人間にとって、タバコ臭くないホテルの部屋やレストランはとても快適です。日本でも、Starbucks Coffeeが、コーヒーの味が変化するので、タバコはご遠慮くださいと表示をしています。ですから店内はコーヒーの香りのするいい環境です。こんなところが、サービスの一つの原点かもしれません。今回は、サービスについての考察をしてみたいと思います。

 

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【復刻】 081 リーダーとボス 19990612

現在の日本の経済状況を見ていて、以前日経連の会長をしていた、故鈴木永二氏の言葉を思い出します。リーダーとボスの差についての見解です。今から15年以上前になると思いますが、鈴木氏は当時、日本には、リーダーが不在である、いるのはボスばかりである、と喝破されました。その頃の私はあまりその意味が理解できていませんでした。しかし、現在考えると、素晴らしい見解だと思います。私たちは、ともすればリーダーとボスを同じような意味で考えがちです。今後、世界の中での日本の役割を考えると、ボスだけでは世の中が進まないことが分かります。今回はその点について考察したいと思います。

 

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【復刻】 078 21世紀 19990522

Lafayette Dr. Digital Weekly
19990522                 通巻第78号

以下、某新聞の5/15に記載された記事です。(インターネット版です)

日本の中高生は将来に夢をもっていない? 
日本青少年研究所(文部省、総務庁の外郭団体)が、21世紀がどんな社会になると思うかを全国の中高生に質問したところ、6割が「希望のある社会になるとは思わない」と答えた。他の設問でも、明るい未来に否定的な回答が軒並み7―8割に達している。ただし、同研究所は「今の10代が未来を真剣に憂えているとは思えない」と辛口だ。「現状に満足し切っており、 『今より良くはならないだろう』という程度にしか考えていないのではないか」とみている。調査はアンケート方式で、昨年秋から今年初めにかけ、中学生、高校生それぞれ1000人ずつに対して実施された。全員から回答を得た。 

「21世紀は人類にとって希望のある社会になるか」という設問では、「そう思わない」が61%で、「そう思う」の39%を大きく上回った。同じ調査は米国、中国、韓国の3カ国の中高生に対しても実施されたが、米、韓では6割強、中国では9割強が「そう思う」と答えており、日本との差が際だっている。日本の中高生の否定的な見方は、他の設問でも続く。「国民生活は豊かにはならない」67%、「人間は今以上信頼しあえない」75%。「不正や腐敗」については、84%が「少なくなるとは思わない」と答えた。
一方、意識を探る設問でも、「将来より今を楽しむことが大切」が67%、「努力ばかりではつまらない人生だ」が58%と、覇気のない答えが多い。

ここまでが記事の全文引用です。

この記事を読んだ私は、困った記事だと思いました。対策がとれないからです。
研究所が辛口なコメントをするのは自由ですが、新聞はその研究所のコメントをそのまま伝えているだけです。これは、記者クラブのお役所の発表をそのまま記事にするという手法そのものです。
私の友人の新聞記者が言っていましたが、お役所は白書を発表する時にも、白書を読まなくても記事が書けるように、記事の案まで作って記者に渡すそうです。(今から10年以上前の話ですから、今はどうか知りませんが)困った点は、研究所の意見に対する、中高生の声が出ていないからです。本当に努力ばかりでつらいのか、とかむしろ、将来を楽しむより今を楽しむことが大切などというのは、設問自身がおかしい。私なら将来も楽しむし、今も楽しむと答えますが。

そいして、覇気の無い答えが多い、という結論です。これでは、何も始まりません。なぜなら、会話を始めるきっかけが無いからです。先日のユースサッカー世界大会でも、日本の若者は準優勝という快挙を成し遂げました。努力が嫌いな人達には出来ないことだと思います。その素晴らしい事実があるのに、この記事はそんな事を無視して一人歩きしています。
この記事の延長上には、最近の若い者はという考え方が見えるような気がします。むしろ、大人にも同じ設問をして、将来がどうかを聞いてみるべきだと思います。今の時代、大人のほうが将来を暗く思っているかもしれません。

今回、申し上げたかったことは、このような受け売りの結論ではなく、自分の目から見てどうなのかという点を、天下の大新聞もやって欲しいということです。それでないと、勝手な思い込みや、推測ですべてが進んでしまうという、悪しきサイクルに入るからです。そうではなく、何が事実で、何を考えなければ行けないのか、もう一度見詰め直す必要があると思います。その、事実を直視することが次の世界を変える、一番の原動力だと思うからです。

この記事の、一番のポイントは未来を明るくないと思う中高生に対して、私たち大人が一体何から考え始めれば良いのだろうか、ということではないかと思うのですがいかがでしょうか。

本情報につきまして、皆様からのご意見ご感想をお待ちしております。
        八木  博        e-mail  hyagi@infosnvl.com

【復刻】 077 地域と事業 19990615

シリコンバレーだけでなく、米国は地域での行政の活動や企業の活動、ひいてはプロスポーツの応援まで地元をキーワードの動いているところが多いです。地域振興策を行政も、企業も住民も一体となって行う場合が良く見られます。シリコンバレーはその中の一つであり、その取り進め方が、21世紀の、共生型ビジネスモデルといわれる所以です。先日、NHKのBS-1で「ベンチャー立国は可能か」という題の、討論会がありました。その中で、一橋大学の米倉教授は、ベンチャーを育てる仕組みが重要である、と指摘していました。確かに、部品という分野で日本は製造業として世界に冠たる地位を築いたわけです。それから後の、テクノロジーでは、まだ世界をリードするものは、ゲーム機以外では出て来ていません。これから、ゲーム機端末が情報家電の牽引車になるとすれば、可能性は大です。(自動車や、家電の多くは組み立て完成品ですが、この市場を確立したのは、米国や欧州だったので、市場での対立が避けられません)
それでは、なぜ、地域なのかを考えて見たいと思います。

 

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【復刻】 076 夢と行動そしてリスク 19990509

米国の株価がとうとう11000ドルを越えてしまいました。それにつけても、実に元気が良いというのを実感します。なぜだろうかということを、夢の価値を中心に考えてみたいと思います。ベンチャーの動きを見ていると、夢を追っているということと、夢を買う人がいるということを、実感します。どういう事かというと夢を描いて事業を始める人に、投資をする人がいるのです。その中には、自分の多くない収入から投資してベンチャー起業家と一緒に夢を見ようとしている人もいるのです。投資で発生するリスクは、当然投資家が、負うことになります。これは、日本ではほとんど見られないことです。今回は、起業家と投資家を分けて考えてみたいと思います。

 

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【復刻】 073 データを採るということ 19990404

前回は、結果を評価するということがいかに重要であるかについて、ご説明しました。これは、頭では解っても、具体的にやる場合には大変難しい事だと思います。今回は、その為に何をすることが必要になるかを考えてみたいと思います。その前に、現在日本の置かれた経済状況を振りかえってみて、どのような過去があったかを見てみたいと思います。
日本の製造技術を、世界に冠たるものにしたのは、TQCシステムで、これにより日本の製品は高品質、低価格を成し遂げました。これは1980年代の半ばに、世界の半導体業界を席巻し、あのインテルをして、日本に負けたと言わしめたわけです。今からほんの10数年前のことです。それから、米国は日本に学べということで、産官学挙げてTQCのシステムを学び、経済活力の回復をねらいました。その中に、NPOを積極的に活用する仕組みなど取り入れ、優れた技術、システム、社会制度そしてリーダー達を輩出しました。90年代に入ってからは今や、経済活動では米国の一人勝ちが現実に起こってしまっています。

 

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【復刻】 071 目的と手段 19990321

現在、日本の社会を見ているといくつかの混乱が見られます。一つは目的と手段の取り違えです。もう一つは、生きる理由というか、目的のチェックが無いまま社会が出来上がってしまった、ということでしょうか。これは、私自身の反省も含めて考える問題だと思っています。
前者は方法論、到達点として問題で、後者は人として主体的な関わり方に関連が出てきます。
この問題を、一度は考えないと、日本の今の状況を招いた要因を見つけ出すことは出来ないと思いますので、いくつかの例を検証してみたいと思います。

 

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【復刻】 070 戦略的PCバンキング 19990307

米国では、PCバンキングという、家庭にいながらにして、預金口座から各種支払い、振り込みなどができる方式が広まっています。口座や家計管理をするソフトも多く売れていて、Intuitと言う会社のQuickenというソフトは、大ベストセラーになりました。日本でも最近PCバンキングを始める銀行が出て来ています。やり方を比較してみたいと思います。

 

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【復刻】 069 情報の価値 その4 19990214

情報を集める仕組みについて、前回ご説明しました。今回は実際の会社の中で、どのように進められているのかを見たいと思います。これは、必ずしもハイテクの分野でない会社の説明ですので、その点日本でも参考になるところは多いと思います。

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【復刻】 068 情報の価値 その3 19990124

Lafayette Dr. Digital Weekly
19990124                 通巻第68号

今回は、情報を価値に変える仕組みを考えてみたいと思います。今まで情報は独占するところに価値があったのですが、インターネットや個人の意識の変化で、オープンな情報を早くビジネスにつなげることが、世界の主流になってきました。それを米国がどのような仕組みにしているかを眺めてみたいと思います。私の考えも入っていますので、ご了解ください。

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【復刻】 067 情報の価値 その2 19990117

前回は、情報のコストを中心に情報をお送りしましたが、今回は情報の活用について、ご説明したいと思います。情報の価値は、使いこなしから生まれると言うことです。当たり前なのですが、意外と日本の社会では理解されていないのではないかと思うことがあります。

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【復刻】 066 情報の価値 その1 19990110

NYダウの株価が再び最高値を更新しました。この株高はバブルではないかという日本からの言葉が、どうも的を得ていないように思えます。この理由を考えてみているのですが、情報ということに関して米国での利用のされ方と、日本で考えていることとが大きく違うことが原因ではないかと思えるようになりました。これを、ビジネスに関与する部分から解析してみたいと思います。まずはコストという今やグローバルな視点でものを考える時に最重要な要因とそのインパクトを考えてみたいと思います。

 

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【復刻】 064 情報の集め方 19981220

米国の経済が、未だ勢いを失っていないのと比べて、日本の経済は明確な指針の無いまま活気を失っています。以前、失敗の本質という本を紹介した中で、大本営の行動は、明確な指針を出さずに太平洋戦争を実行してしまったこと、そして、現地はひたすら局地戦で戦うことしか考えていなかったことです。これが、米国の諜報活動によって、日本軍の手の内を読まれながら、ひたすら敗戦へと進んでしまったシナリオです。その時と比べても、現在はあまり変わらないのではないかとさえ見えてきます。あるべき姿の議論が無いまま、対処方のみの対応に追われているからです。今回は、そのなかで情報の持つ役割を考えたいと思います。

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【復刻】 063 信用と信頼 19981205

似た言葉で、意味が違う言葉がいくつかあります(当然ですが)。最近目にする言葉をいくつか比較してみたいと思います。信頼と信用、融資と投資、などです。良く考えると、混同していて判断を誤ることなど、有り得ると思います。

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【復刻】 051 21世紀は低コストの社会 19980906

インターネットを使ってみると、通信の内容にマルチメディアが使えて、しかも国際通信が使えて、電話代は国内料金ということで、通信コストが大幅に下がっているのを感じます。国内の電話料金が高い日本の事情は別として、これだけのインフラが使えるということは、低コストの社会を構成する上で非常に有利な状況になっていると思います。今回は、将来のコストの推移を考え、どうしたら豊かになれるかを考察してみたいと思います。

 

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【復刻】 036 Missionという言葉 19980518

Missionという言葉は、米国では良く目にします。会社の事業目的やプロジェクトの遂行目的を明確にするときにこの、Missionと言う言葉が出てきます。これは結構大きな意味を持っていまして、会社やプロジェクトがそのMissionを果たすかどうか、常にチェックされています。それが、会社やプロジェクトの存在理由と言っても良いと思います。では、どのように機能するのかを検証してみたいと思います。

 

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【復刻】 035 Marketing その2 19980511

先週、マーケティングという言葉についての内容をお送りしましたところ、何人かの方から、「もっとこの件について勉強したいが」というメールをいただきました。浅学非才を省みず、今回はMarketingの現状と今後の展望を、簡単にご報告したいと思います。枠組みと考え方をご理解いただければと考えております。

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【復刻】 034 Marketingという言葉 19980504

マーケティングという言葉は、いまだ十分わかった気がしない不思議な言葉です。これは、以前の感覚ですと、販売支援的要素が強いと思っていましたが、どうも違うようです。Websterの辞書にも製造者から消費者に商品を動かす全体の活動という表現で出ています。この関係に詳しい方に聞くと、このMarketingの概念こそ、世界の市場を理解する上で、もっとも重要であると言われます。それがひいては、貿易摩擦の原因や、新商品開発の原動力になるということもあるそうです。
今回は、Marketingと言う言葉の中味を検証してみたいと思います。

 

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【復刻】 074 日本の情報化度とアジアの発展 19990411

日本の状況で、いくつか気になることがあります。一つは、労働生産性が先進諸国の中で低いということと、情報化度というIDCでの指標で、一昨年は世界第四位だった日本は、昨年は第九位へと後退しています。(www.idc.com ) 
Network Solution社の調査では、ドメイン名の登録数では一昨年9位から、今年は11位へと後退しています。 (http:/www.netsol.com/news/pr_19990112b.html)
これは、単純に景気の後退という事を原因にすることもこともできるのですが、どこ国が伸びているのかをデータで眺めて、考えてみたいと思います。

 

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【復刻】 059 日本製品の価格と品質 19981101

品質という話になると、日本の製品は世界一という評判があります。これは、事実でして、現在の日本の製品は、高品質で名前が通っています。たとえば、Consumer Reportという、米国で権威のある消費者、製品評価の雑誌などでも、日本車の評価は、大変高く、信頼性評価などで、エンジン性能や、トランスミッション、電気系統、塗装、エアコンなど16項目にわたって評価しています。その中で、トヨタやホンダの車は、非常に高い品質スコアを獲得しています。この事が価格に反映されて、日本車は高性能、高価格と言う評判を得ています。すなわち、高くても売れる車ができているのです。そして、米国はその秘訣を採り入れるために、輸入車規制を行い、(それを逃れるために日本の自動車メーカーに、組み立てや、部品工場を米国内に作らせ)今や高い品質の車が、日本の会社だけでなく、米国の自動車会社の手によって、米国内でも作られるようになりました。これは、車作りの業界が、地道に品質改良し、手法を確立した成果だと思います。1980年代からの、日本の工業製品の高品質時代を代表していると思います。

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【復刻】 046 日本での夏休み その1 19980803

今年は、家族揃って夏休みを日本で過ごす事になりました。私は、仕事で日本に来る事も多かったのですが、子供たちは3年ぶりの日本です。私の講演のツアーに合わせて付き合ってもらって、東京を拠点にして広島、岡山そして京都を中心に日本を回りました。そこで考えた事をまとめてみたいと思います。

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【復刻】 022 シリコンバレーの中の日本 19980202

シリコンバレーに来て、はや6ヶ月がたちました。ようやく、近所のこともわかり始めましたので、日本人がどのように関わっているか見えてきました。経験をもとに、まとめてみたいと思います。

 

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【復刻】 033 ネットワーク社会と縦型社会 19980427

インターネットが国境の壁や、階層、思想を超えながら世界中に広がる状況は、文字通り「世界はひとつ」「人類としての一体感」を実感させます。その中で、日本はこの利用に少しばかりためらいが大きいように思います。なぜそうなっているのか、私自身の経験を踏まえて、論じてみたいと思います。特に最近友人から教えられた、アドラー心理学という中に、縦社会の発想ということと、横社会という考え方があることがわかり、これはちょうど、旧来の会社社会と、ネットワーク社会とを対比するのに適切な表現だと思うので、これに基づいて考察してみました。ちなみにこの心理学は1920年代ころのものだそうです。詳しくお知りになりたい方は、城内さんにお尋ねください。E-Mailはshirouti@bronze.ocn.ne.jpです。

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【復刻】 032 ネットワークを使った世界と日本 19980420

米国での仕事のやり方を見ていると、ネットワークをうまく使いこなしている事に気がつきます。いろいろなデータをコンピュータに入れて、そのデータを必要な人に次々と送ると言うシステムが、うまく出来ています。今回はその実態と背景をご報告したいと思います。

 

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【復刻】 029 ネットワークと信頼関係 19980330

シリコンバレービジネスでは、ネットワークという言葉が良く使われます。そしてこの言葉を軸にして成長を続けていると考えていいと思います。この言葉の中には、コンピューターや、インターネットによる「物理的」なネットワークと、「人間的」なつながりによるネットワークと、両方含まれています。10年前でしたら、会社にはネットワークが導入され、社内の「物理的」ネットワークで仕事を進めることができました。しかし、会社のような大きな組織に属さない人は、「物理的」ネットワークの中には入れませんでした。しかし、インターネットの普及に伴い、組織に属さない人でも、容易に「物理的」ネットワークに入る事が出来るようになりました。このことは、仕事の取り進めについても、いくつか変化をもたらしています。その理由は「人間的」なつながりと、「物理的」なつながりができると、「組織的」な行動が取れるようになるからです。会社という組織から見ると、社内と言うネットワークのほかに、会社外との「物理的」「人間的」広がりを意味します。逆に組織には属していない人から見ると、組織として存在している「会社」の「人間的」な部分を取り込んでいる事になります。

 

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【復刻】 065 1998年は希望の始まりの年 19981227

今年一年いろいろな事がありました、そしてわかりました。これは良い事か悪い事かという議論でなく、事実として受け入れるべき事柄ばかりだと思います。私のひとつの信念のようなものとして「人生に無駄な事は起こらない」という言葉があります。これは、誰の言葉かは知りません。でもこの言葉の通りが人生だとすると、毎日毎日がすごく充実してくると思いませんか。そして、今までの自分の人生を振り返ってみた時に、少なくとも今はこの言葉が私には真実なのです。この観点から今年を振り返ってみようと思います。

 

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【復刻】 060 タクシー比較 19981108

米国と日本のサービスを比較する上で、タクシーというのは面白い要素を持っているように思います。ニューヨークと日本の大都会のタクシーの比較をしてみたいと思います。これを選んだ理由はそれ以外に、あまりタクシーに乗る機会が無いからです。

 

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【復刻】 058 米国西海岸での制服 19981025

シリコンバレー周辺は、通勤にもカジュアルな服装が多く、スーツ姿の人達は、セールスパーソンや、銀行員など、限られた職種でしか見られないように思います。しかし、スーパーや宅配便あるいは、ホテル、ハンバーガーショップのような、お客と直接接する小売では、制服が目立ちます。この事は、スーツ姿が少ないことと重ねあわせると、私にはやや不思議な気がします。本来、私服が好きな国民なはずですが、制服をどのように位置づけて生活しているのかを見てみたいと思います。

 

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【復刻】 057 ビジネス教育と学校、政府 19981018

米国での、学校教育の中でビジネスを単位に加算するシステムがあります。インターンシップと呼ばれるものですが、なかなか合理的で、しかもビジネススピリットを学にはとても良い機会だと思いました。そして、自分でベンチャービジネスを起こした英国人からは、英国にはもっと違うシステムがあるよとも教えられました。話を聞いてみて思ったのですが、日本の現在の経済的な閉塞状態を打ち破るためには、日本の教育の中にも取り入れられる要素も多々あるのではないかと考えました。

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【復刻】 056 文房具の楽しみ 19981011

私は、日本にいたときには人後に落ちない、文房具マニアでした。文房具やさんに入ると、棚を隅々まで見て、気に入ったものがあると、似たものが家にあるかどうかとは関係なく、ついつい買ってしまうほうです。最近、18年前に買い込んだ特別仕様の情報カードがやっと利用先が見つかり、800枚ほど片付きました。それまで後生大事にしていたわけですが、米国ではあまりそのような、凝った文房具にお目にかかりません。このあたりを、実際の体験から比較検討してみたいと思います。

 

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【復刻】 055 日米セキュリティー比較 19981004

米国で、高校生のライフル乱射事件があったり、日本で毒入りカレーライスとか、毒入り缶飲料などが出回って、実際に少なからず犠牲者が出ています。社会的な観点からすると、住みにくいことですし、それを防ぐためにはコストもかかります。そうは言うものの、Fフクヤマも、20世紀は、民主主義にならざるを得ないという結論が出た世紀であると、強調しています。今回は、そのような身近な安全を考える上で、セキュリティーという観点から、日米比較をしてみたいと思います。

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【復刻】 052 携帯電話とクレジットカード 19980913

日本で動き回ることも多くなりまして、携帯電話を買うことになりました。しかしこれが、もう大変。
手元にあるのは、パスポート、期限の切れた免許証、クレジットカード、どれもが日本での要件を満たさないのです。特に、最大手のN社の携帯電話は、ガードが固く、私はお客さんなのに、電話一台買うのにこんな事をしてまで保証確認が必要なのですか?と叫んでしまいそうになりました。

 

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【復刻】 049 小売りについて考える 19980624

最近、シリコンバレーで展開していた日本から進出したパソコンショップが、小売り部門を閉鎖する事態が発生しました。時々、日本語のソフトや雑誌などを購入したり、重宝していました。無くなってしまうと、不便になるので困る事もあるのですが、いろいろな面で小売りというビジネスを考えさせられました。米国の小売りにしても、今後の成長を疑問視する考え方も出てきています。今回の件とあわせて、考察してみたいと思います。

 

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【復刻】 040 フィットネスとラニーニャ 19980615

今日は、最近はじめたフィットネスについて、ご報告します。実は、今年の3月からある種のダイエットをはじめまして、現在9Kgの減量を達成しました。それに合わせて、以前からやっていたジョギングのほかに、フィットネスなどもはじめました。シリコンバレーの中で生活する人達の健康管理という観点から、感じたことなどまとめてみます。

 

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【復刻】 039 米国のTV その2 19980606

チャンネルの多様性
前回は、米国のTVのチャンネルの、巨大化と群小メディアを比較しましたが、今回は番組の中味の専門性を検討したいと思います。実は専門性と多様性はかなり関係が深く、後者は前者の結果と言う感じがします。今後、Perfect TVやWeb TVなど多チャンネルを売り物にしたビジネスが出てきますので、多様性という観点をもう一度検証してみたいと思います。

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【復刻】 038 米国のTV その1 19980601

巨大メディアと群小メディアの動き
巨大なメディアがCMだけでなくニュースまでビジネスにしてしまうのに対し、ひたすら議会中継や政策発表などを発信しつづけるチャンネル(C-SPAN)があります。一昨年にケーブルTVのチャンネル割り当てが見直されたときに、C-SPANという、Washington DCで家族3人で経営されているTV会社は、チャンネル枠を増やしたのです。それから、私は米国でのTVの仕組みに注目してきました。今回は、米国のTVについて、大きさを中心にご報告します。

 

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【復刻】 037 レイオフのロジック 19980625

米国企業では、業績が良くてもレイオフをすることがあります。そして、もちろん業績が悪ければなおさらですが。このような状況の中で、レイオフされた人にとってはずいぶん精神的に参るのではないかと思うのですが、私の知っている人達は、そんなに深刻にはレイオフを感じていないように思えます。今回は、そのメカニズムとロジックを検証したいと思います。

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【復刻】 027 お店の中の食べ物屋さん 19980316

最近、Sunnyvaleのコンピューターショップが、移転大改装を行いました。Fry‘sという名のお店で西海岸を中心に、コンピュータービジネスを手広くやっています。安売りの評判も高いのですが私が見る限りでは、目玉商品以外は決して安くありません。ただ、品揃えは非常に豊富でして、秋葉原の部品屋さんの扱うようなコネクターなども揃えてありますので、欲しい部品はたいていのものが揃います。移転大改装の前は、薄暗いあまりきれいではないお店でしたが、移転後は大きくなりしかも、店の中にコーヒーとサンドイッチショップがど真ん中に入っているのです。今回はお店の中の食べ物屋さんと、ビジネスの関係をまとめてみたいと思います。

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【復刻】 019 米国の気概 19980112

米国でベンチャーと騒がれていますが、新しいビジネスが沢山出てくるところまではわかりますが、成功する会社は2-3%であると言われています。結果として成功したビジネスを見ていると、内容もさる事ながら、人間的な要素が深く関わっているような気がします。その一つが創業者の気概です。新しいビジネスの種を育てつづけるために、気概と言うものが必要になってきて、その気概が仲間を集めてビジネスを広げて行くと言うのが成功した会社の共通パターンのような気がします。米国での個人は、マイペースで動くように見えます。しかし、ひとたびビジネスと言う点で見ると、そのスピードは驚くべきものがあります。今週はいくつか気概について気のついた事をまとめてみたいと思います。

 

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【復刻】 012 COMDEXの舞台裏 19971124

毎年11月にラスベガスで開かれるCOMDEX/Fallはコンピューター関連の製品の展示会としては世界最大規模です。孫さんのSoft BankがCOMDEXを買収してからは、世界各地で開かれるようになりましたが、内容スケール共にラスベガスのものは桁違いに大きな展示会であります。今年も11/17-21まで開かれました。私たちの会社も最近ずっと展示してきていまして、今年も展示をしました。今回はマスメディアには載らないCOMDEX展示の裏側をご報告したいと思います。
(Weeklyの先週号はCOMDEXの準備のため、休刊となりました。ここでお詫びいたします)

 

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【復刻】 011 情報に囲まれる消費者 19971110

米国は、ご承知のように巨大な消費国家です。消費が好きな国民ですが、商品に対する見方はかなり厳しく、いろいろなところから情報を入手して消費の際の参考にしています。今週は消費のための情報の種類と使われ方について、ご報告したいと思います。

消費者が入手する情報には次のようなものがあります。
1. TVや新聞などマス媒体による企業からのPR情報
2. 雑誌など、出版社によって発信される消費者情報
3. 消費者情報専門の出版物による、製品評価情報
4. 政府による情報
などがあります。
1,2については、コマーシャルの質量ともに膨大であります。そして、一見、客観情報風でありながら、しっかりとPRになっているものもも多く見られます。
3は、特に米国で大きな信頼を勝ち得ている消費情報源であります。
4は、たばこやアルコールの害について情報を提供しているFDA(連邦食品衛生局)や、ガンの予防のための食品摂取についてはNIH(国立衛生研究所)などがレポートを出して、消費者に情報を提供しています。これらは、企業や消費者に対する規制を制定することもあります。

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【復刻】 112 シリコンバレーはICで持つ実感 20000701

シリコンバレーは、IC(インド人と中国人)で持つといわれて久しいけれど、確かに、インド人の人々が、最近多く目に付くようになった気がする。以前の職場にも、インド人も中国人もどちらもいたけれど、勉強家だし、能力は高いと思った。そして、自国の歴史に詳しく、両者とも自国は大国であるという自負心は強かったように思う。ちょうど高校の卒業式の時期に、地元のSan Jose Mercury Newsが、優秀な卒業生を紹介している面を見ると、これが、圧倒的にアジア系が多い。アジア人は実に教育熱心だと言うのが良くわかる。

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【復刻】 053 現在の社会組織と戦争中の組織 19980920

今、「失敗の本質」という、14年ほど前にダイヤモンド社から出版された本を読み返しています。
内容は、太平洋戦争で中国や東南アジアで遂行された、作戦と呼ばれる大きな戦いにおいて、軍隊という組織が、どのように指示命令を出し、戦いの最前線が、どのように動いたかというのを、検証したものです。結論を言ってしまうと、大本営は明確な指示を出さずに、思い込みの概念で戦をしてしまったこと、最前線は、指示が出ないことにあわせて、独断で戦いを進めるというちぐはぐな行動が多く記されています。そして、マスコミは大本営の発表をそのまま載せて、結果的には国民を欺いてしまうという構図が出ています。これらの事は、当時の事情はどうあれ、現在生きている私たち一人一人がもっと、振り返って、何が本当の問題だったのかを考えてもいいのではないかと思います。14年前の本とはいえ、今でも多くの示唆に富む指摘をしています。むしろ、バブルのときに生かされなかったことが、悔やまれるほどの出来だと思います。現在の状況に合わせて、中味を検証したいと思います。

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【復刻】 048 米国でのガレージ利用 19980817

米国で生活をしていますと、ガレージと言うのが多目的に活用されているのを感じます。毎朝ジョギングをして近所の開いているガレージを見るのですが、ガレージは実に様々な用途に使われています。2年ほど前にTIME誌で、米国の秘密武器「ガレージ」という表現をしていましたが、どんな使われ方をしているのか、具体的に検証してみたいと思います。

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【復刻】 045 シリコンバレーの「志」 19980720

シリコンバレーにいると、いろいろなことを考えている人が、世界中から沢山集まっているのを実感します。ある人は、ひとやま当てたいと思ったり、別の人はこの技術を、世界の人々に使ってもらいたいと思ったり、様々です。でも、その中でも「志」という見方をすると、何故か人々の想いが、脈々と伝えられてきているところを感じます。先日、日本から知人が来まして、シリコンバレーを案内しているうちに、思い当たることがつながりを持ち始めました。理解の程度は、十分ではないかもしれませんが、まとめてみたいと思います。

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【復刻】 042 Windows 98いよいよ発売、それで? 19980629

米国では、Windows95について司法省との独占禁止法との結論が出ていないうちに、6/25 にはWindows98が発売となりました。こちらのShopも営業時間を6/25の午前1時まで延長してキャンペーンをしました。今回はWindows98に対するシリコンバレーでの個人レベルの反応を見てみたいと思います。

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【復刻】 041 E-Mailの職場での利用 19980622

E-Mailの利用は,米国でも盛んです。そして社内のネットワークでの利用や、インターネット上で無料で送れるE-Mailサービスなどいろいろあります。MSに買収されたHot Mailと言う会社は、無料E-Mailサービスの会社のひとつです。では、実際のビジネスの場ではE-Mailはどのように。使われているでしょうか。従来の電話などのメディアと比べてコミュニケーションの内訳はどのようになっているでしょうか。最近のSan Jose Mercury Newsに面白い記事がありましたので、このデータと、実際の感覚も含めて、考察してみたいと思います。

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【復刻】 031 目一杯の社会 19980413

米国の機械を見ていると、目一杯のパワーで動いていると言うのを感じるときがあります。
たとえば、飛行機の離着陸のときや、ハイウェイのトラックや芝刈り機のエンジン音など、いつもフル回転の音が聞こえる気がします。そして、実際物流や、技術の流れもそれと同じように、フル回転ではないかと思ってきました。もしかすると、人間の活動もそうかもしれません。今回は、目一杯社会の実態を検証してみたいと思います。

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【復刻】 030 低コストの社会 19980406

米国での生活の中で、低コストということをいろいろなところで実感します。ひとつの大きな原因は圧倒的に土地が広くて、安いと言うところに起因すると思います。しかしその他にも、やり方次第ではコストを下げる試みがいくつかなされています。その中で、日本でも真似できそうなことを含めてご報告したいと思います。

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【復刻】 024 あるベンチャー情報 19980223

最近、いくつかのベンチャー起業の内容を聞く機会がありました。企業になる前の開発の段階の話が中心でしたので、ベンチャー起業と書きました。何を考え、どのように彼らが新しいことに取り組んでいるのか、私なりに理解したことをお知らせします。そして、いずれの起業も「お金」には恵まれていませんでした。日本からの支援がありましたら、彼らに取り次ぎをしますので、支援をしたいと気になる方は私宛てにメールをお送りください。

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