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【復刻】 100 ひと区切り 20000312

いよいよ、このWeeklyも100号を迎えた。いくつかのメールマガジンでの発行号数は少しずれてはいるけれど、書く立場から見るともはや100号である。それなりに、よくも続いたものだと思う。拙文を読んでいただいている方々には、改めてお礼を申し上げたい。インターネットに触発されて、自分で出来る事は何だろうかと思って始めたのがWeeklyであった。今回は時代の流れを感じながら、振り返ってみたい。

インターネットとの関わり
95年から米国に住むようになって、インターネットを始めた。96年前半までは面白がって、いろいろなページを漁っていたけれども、インターネットと自分との関わりを考えるようになって、情報発信の重要性を痛感して、Weeklyは始まった。当時は、ノースカロライナのシャーロットに住んでいたので、Charlotte Weeklyという名前で、メール友達に送り始めた。当時は、FAXで送るケースも多かった。96年の暮には、日本でインターネットを始めようという講演会をやってみたけれども、日本での反応ははかばかしくなかった。そんな中で、シャーロットの日本語補修校の校長先生にホームページを作ってもらったりしながら、インターネットとは積極的に関わりを持つようにしていた。
インターネットの持つ、ボランティア精神や、サービス精神そしてお互いをつなぐ大きな力を実感したものだった。

シリコンバレーでの衝撃
97年にシリコンバレーに引っ越してから、インターネットとしての利用価値を大いに学ぶ事になった。やはりあらゆる試みをしてみる場所としてのシリコンバレーはとても刺激になった。ネット上でのコミュニティーが利用されている事が、大きな特色かもしれない。NPOのリーダー達の話を聞くと、直接会わないままに、NPO活動をして成果を上げてしまう事もよくあるという。一体どんなコミュニケーションなのか、理解に苦しむところもあるけれど、作業分担だと理解すれば、それで良いのかもしれない。それにしても、NPOのリーダーは「理念」でボランティア仲間を引っ張って行くわけだから、顔も合わせずに仕事が進むという事は、意思伝達やプロジェクト管理にノウハウがあると考えられる。そんな事や、ベンチャーキャピタルの話を聞いているうちに、この場所はすごいところだと思うようになった。しかも、知識、智慧の部分での作業が中心なので、シリコンバレーといっても、実際目に見えるものはほとんど無いと言う事になる。だから、観光で来た人達には、スタンフォード大学や、アップル本社などは案内できるのだけれども、それ以上のものはもはや、形にならないものとしてしか、存在していない。それでも、知的活動を考える事により、ビジネスのあり方などがとてもよく見えるようになった。Lafayette Dr. Digital Weeklyはそのような環境の中で始まった。
それでも、1998年までは、日本のインターネットへの関わり方は、とてものろく見えたし、通信料金の高さは、インターネットを利用した新規ビジネスの可能性をすべてつぶすように見えて仕方が無かった。

人という宝物
シリコンバレーのベンチャーキャピタルが投資をする時に注目する点が5つあるという。1番目から4番目までが「人」であるという。事業を任せられるか、間違いが起こった時自分で軌道を修正できるか、すべては人の考えや行動につながっている。そして面白いのは「賢い」かどうかが、大きなポイントだという。理由は「賢い」人は、自分が「馬鹿な事」をやったら、すぐ気がつき、修正するからだという。事業には失敗がつきものであるけれど、そのような人物に託す事により、事業を大きくしてゆくことになるわけである。やはり、人は宝である。シリコンバレーで気がついたのは、システムとは別に、創造的に仕事をするのは人であるという事を実感した事である。その為に、人々がモチベーションをもって働けるような工夫が沢山見られるのも、楽しい事である。

21世紀の東洋思想
以前にも断片的に述べた事ではあるけれど、Win-Winの思想は「情けは人のためならず」だと思うし、インターネットの本質は「袖触れ合うも衆生の縁」など、20世紀をまとめてみると東洋の知は、西洋の手法で具体的な方法となって、世の中に現れた。その目指す方向は、「個」を認めつつ世界の一体化の方向であるし、グローバルでの展開とローカルでのコミュニティー化が起こるのではないかと考えられる。日本の携帯電話インターネットも面白い展開だとは思うけれど、今のところ従来の枠組みを踏襲する構図になっているように見える。むしろ、これからの時代は、東洋の混沌としたものの処理技術なのではないかという気がする。狭い地域で密集した人口、これからの世界を先取りした東洋には、21世紀の世界に重要な回答を与えるのではないかと思える。
今後は、東洋という視点と、ネットワーク社会をつなぎながら考えてみたいと思う。

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