【復刻】 087 小沢征爾について その5 19990815

小沢征爾についてといいつつ、今日は海外で活躍する日本人について、まとめてみたいと思います。これは、日本人のもつ、国民性が本質的に閉鎖的なのかどうか、ということを検証する事と同じだと思います。私の独断であることをお断りした上で、まとめてみたいと思います。

ワンピースフル・ワールド
九司道夫という方は、ワンピースフルワールドというのを提唱しておられます。これは、マクロビィオティックという考え方に基づいています。これは食生活を人間全体として考え、それを正しくする事で、思想的にも、肉体的にも健康を獲得し、世界を平和なひとつの社会にしようという、運動です。その中心となるのが、久司道夫氏です。私がいい加減な事をご紹介してもいけませんので、公式ホーム頁をご覧下さい。http://www.macrobiotics.org/OPW.html　にあります。
この方は、1996年にこのマクロバイオティックスを通じた、ワンピースフルワールドの活動わ評価されて、スミソニアン博物館にその著作と思想が展示される事になりました。従来ではその人の思想などは死後、評価が定まってからと言う例ばかりでしたが、久司氏は例外的に生存中に展示された方ということになるそうです。（実際の展示は私はまだ見ておりませんが）

この方の、先生というのが桜沢如一（おおさわじょいち　1893-1966）という人で、戦前から食養指導家・思想家として世界をまたにかけて活動した方です。以前に、鶏の卵のカルシュウムはどこからくるかという実験をやった人でもあります。この結果は、残念ながら日本では高く評価されていませんが、鶏の体内で原子変換が起こっているという結果を見出しています。
いずれにしろ、この師にしてしてこの弟子ありということですが、時代が流れている事を感じます。

他の音楽家は？
他の音楽家では、五島みどりさんとか内田光子さんとかが出てきます。そして、最近の指揮者では、小沢征爾の教えを受けた、佐渡裕氏などが後に続いているように思います。ですから一人の動きは、それに続く動きを作るということが言えると思います。話は少し変わりますが、昨年亡くなった故鈴木鎮一（すずきしんいち1898-1998）という音楽の指導家も、やはり日本より海外で知られていた人でした。幼児のバイオリン教育を始めて、世界中に鈴木チルドレンと呼ばれる教え子を、何十万人と育てた人です。どの子供にも伸びる素質があるので、それを大切に育てるのが教育だという事を強く主張する人でした。
追悼のHPはhttp://mrdata.com/fandrich/eric/suzuki/front.htmlです。奇しくも全世界に活動を広げていたこの活動が松本市を拠点としていたところに、世界で活躍していたサイトウキネンオーケストラが（松本市に）新しい拠点を作ったということで、偶然ではないものを感じます。

野茂を忘れては困る
そうでした、あの野茂選手は今でも英語を話すのが不自由なようですが、今でも野球に打ち込んでいます。そして今年も再び10勝をマークしています。自ら切り開いた道を、妥協することなく進んできた結果という感じがして、彼の活躍はとても励みになります。そういえば、伊良部選手や長谷川選手なども、活躍が目立つようになりました。以前の自転車レースでは、中野浩一選手がやはり海外で有名でした。こうやって見ると、進出して存在を示すには、長い時間と多くの努力と独自性が必要な感じがします。小沢征爾もそうでしたが、自己主張という面で「がんばる事」ができた人が、地平を開いていると思います。そして、私は思うのですが、日本人は決して国の中に閉じこもる民族ではなかったと。海外に活躍した人達も、歴史上数多くいることを、どこかで忘れてしまったように思えます。

小沢征爾については、これで終了する事にして、次に日本の思想と、西洋の思想を考えてみたいと思います。