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【復刻】 085 小沢征爾について その3 19990718

小沢征爾の件につきましては読者の方々から、リアルな情報を頂きまして、その中味のリアリティーに驚いています。インターネットの持つ瞬時性、グローバリズムが実感できました。ある方からは、若い頃に、ボストンのお寿司屋でアルバイトをしていた時の情報をいただきました。その時に小沢征爾が時々お昼を食べに来たそうです。周囲は彼に静かに食べてもらおうと、気を遣いながら、遠巻きで対応するような状態だったそうです。食べ終わって、帰る時はあの笑顔にななって挨拶をしたそうです。そして、その時に小沢征爾のオーラを感じたそうです。で今回は、小沢征爾の持つオーラあるいはカリスマ性について、考察してみたいと思います。

 

サイトウキネンオーケストラの存在
サイトウキネンオーケストラというのは、1984年に結成されました。世界中で活躍する斎藤秀雄の門下生で、ある期間を限って構成されました。米国、欧州で講演旅行をして、大変高い評価を受けました。それから、2-3年おきに講演旅行を行って、高い評価を受けています。それをまとめたドキュメンタリーを見て私は、小沢征爾の持つ斎藤秀雄に対する師弟感と、斎藤秀雄門下と言うまとまりの中での先輩格の小沢征爾の果たしている役割が、とても感動的だったことを覚えています。
このような活動は、彼のリーダーシップ、それも彼が持つ「想い」「情熱」をいかに人に伝えるのかというところから発生しているように見えます。参加する一人一人が自ら納得するような話し方をしているのです。1992年からは松本市でサイトウキネンフェスティバルとして、サイトウキネンオーケストラとしての定期活動が日本でも開かれることになりました。今年から、このフェスティバルのHPも開設されましたので、興味のある方は次のURLをご覧ください。
http://www.matsumoto.ne.jp/user/skf/index-j.html

オリンピック金メダルを2つもらった、小沢征爾
オリンピックの長野大会で、開会式に第九を演奏したのが小沢征爾でした。それが米国でも非常に評判になりました。そして、長野大会が終わって、2ヶ月後、小沢征爾がボストンに戻って、ボストン交響楽団の演奏会がありました。その時に、オリンピック女子アイスホッケーの優勝チームのメンバー2人が演奏会場で、小沢征爾に金メダルを贈呈しました。San Joseの新聞にも載ったくらいですから、結構大きな話題でした。小沢征爾は、地元でもものすごき人気があるんだというのを、まざまざと見せ付けられた出来事でした。そうです、オリンピック金メダルを彼女らから授与されたと言うわけです。ここにも、彼の持つ親しみやすさというか、人をひきつける魅力があると思います。
そして、民族の枠を超えているということを証明していると思います。

重要なことに集中することの大切さ
ここで忘れてはいけないのは、小沢征爾がデビューしたてにの頃にNHK交響楽団員との間にトラブルが合ったことです。その時の事情は今更お話してもしょうがないと思いますが、彼はそれから後、ますます海外で腕を磨きます。そして、自分からチャンスを求めてチャレンジします。そして、最後には世界の頂点へと向かうことになるわけです。もし、彼がN響とのトラブルに振り回されていたとすると、そのエネルギーは今のようには発揮出来なかったかもしれません。彼の行動の結果を見ていると、ここに人の生き方として大きなポイントがあるように思えます。すなわち、自分にとって重要なことを決めたら、ひたすらそれに集中すべきであるということです。それを持続すると、集中した結果は、とんでもない姿で現れるのではないでしょうか。少なくとも私は、そう信じています。

グローバルという視点
もう一つ、彼がとった方法はグローバルな立場から始めたことです。世界に通用することを初めに考えていたのです。(才能があれば当然の結論になりますが) そう考えると、日本で起こったトラブルは、実は問題でなかったということになるわけです。すなわち、自分が進む方向のうちに、これはおのずと解消してしまうのですから。これが彼のグローバルという視点で到達した結論だと思います。

このことは、実はソフトウェアの世界でも、証明されています。マイクロソフトのWordと一太郎との戦いもそうでした。また、ブラウザの世界ははじめから、グローバルな設計になっているのです。それでなければ、始まらないということです。それを考えると、視点と実際の位置を、グローバルにするということの持つ重要性がおわかりいただけるのではないでしょうか。そして、小沢征爾は日本人として、とんでもなく素晴らしいことを達成してくれたということが、言えると思います。

 

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