シリコンバレーだけでなく、米国は地域での行政の活動や企業の活動、ひいてはプロスポーツの応援まで地元をキーワードの動いているところが多いです。地域振興策を行政も、企業も住民も一体となって行う場合が良く見られます。シリコンバレーはその中の一つであり、その取り進め方が、21世紀の、共生型ビジネスモデルといわれる所以です。先日、NHKのBS-1で「ベンチャー立国は可能か」という題の、討論会がありました。その中で、一橋大学の米倉教授は、ベンチャーを育てる仕組みが重要である、と指摘していました。確かに、部品という分野で日本は製造業として世界に冠たる地位を築いたわけです。それから後の、テクノロジーでは、まだ世界をリードするものは、ゲーム機以外では出て来ていません。これから、ゲーム機端末が情報家電の牽引車になるとすれば、可能性は大です。(自動車や、家電の多くは組み立て完成品ですが、この市場を確立したのは、米国や欧州だったので、市場での対立が避けられません)
それでは、なぜ、地域なのかを考えて見たいと思います。
地域は、生活の場
これは当たり前のことですが、地域は生活の場です。そして、そこに存在している企業も、住民も地域の一員です。ですから住みよい地域を作ることは、企業にとっても住民にとってもそして、行政にとってもお互いにメリットがあるわけです。ですから、地域活動への援助や行政の具体的な施策が、地域活性化を生み出し、それが世界レベルでの競争にまで持っていったのが、シリコンバレーモデルです。この中の「協働」の仕組みが、米国経済を引っ張り、新しい企業をどんどん発生させているのです。
シリコンバレーには必要なものがある
シリコンバレーにあるものは、教育施設、ハイテク企業の集まりとその優れた経営者達、そして、周辺の領域を補完している、弁護士、コンサルタント、そして専門技術を持った人達です。そして忘れては行けないのは、ベンチャースピリットです。自分でやるんだ、という気概は、何にもまして重要ですし、それを励まし支える教育や、人々の心など、数え上げるとシリコンバレーだけが例外的に成功させてしまった、仕組みではないかと思うことすらあります。それらの組み合わせで、それぞれの人達がチャレンジして、地域を変え、ひいては世界の技術あるいは、文化まで変えてしまっているように思います。
地域の必然性
日本でも、最近は地域の重要性を認識する人が多くなりました。それは、すべてが地域から始まり、地域へと帰って行くことに行くことが、ようやく重要視されたからだと思います。
しかし、日本の場合には従来の、国家中心的な要素が大きく、未だ予算の多くの対象は国が決めています。その結果、どうしても重点化よりも広く薄くになり、地域というところに焦点を絞った政策が出来にくくなっています。しかし、これからの高齢化社会といわれる人口構成の変化でも、地域での活動を進めることで、解決できることが沢山あるように思います。それが、それぞれの地域の個性になれば、お年寄り達が(実は、大部分の高齢者の方は元気で、しっかりしているんですよね)住みやすいところで、自分の持てる力を生かし、その中の若い人達と力を合わせて、良い地域が作れるのではないかと、思ったりもしています。そうすると、事業が地域と共にあるというのは、経済的な裏付けをもたらすことになり、日本の活性化に大いに貢献できる可能性があると思えるのですが、いかがでしょうか。では、どうやって?というところは、地域のネットワークを作り、その中で志しある人達を募って始めるというのが、確かな方法でしょう。いよいよ、一人一人の出番になってきたようです。
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