米国の株価がとうとう11000ドルを越えてしまいました。それにつけても、実に元気が良いというのを実感します。なぜだろうかということを、夢の価値を中心に考えてみたいと思います。ベンチャーの動きを見ていると、夢を追っているということと、夢を買う人がいるということを、実感します。どういう事かというと夢を描いて事業を始める人に、投資をする人がいるのです。その中には、自分の多くない収入から投資してベンチャー起業家と一緒に夢を見ようとしている人もいるのです。投資で発生するリスクは、当然投資家が、負うことになります。これは、日本ではほとんど見られないことです。今回は、起業家と投資家を分けて考えてみたいと思います。
夢を追う人たち
米国の起業家達は、お金を目標にして事業を起こしているように見えます。いくつかそのような例もあるようですが、私の知る限りでは、何度もチャレンジして失敗を重ねて、最後成功する人もいれば、成功した後会社が大きくなりすぎた、と言ってまた新しい会社を起こす人もいます。実際は夢を追っているというほうが、正しいのではないかと思います。
失敗は勲章とは言うけれど
シリコンバレーでは、特に失敗は勲章といわれます。しかし、それはしっかりした考えや、実績が無ければ誰も相手にしてくれなくなります。(当然ですが) ただ、トライをすることに関する価値観は日本と違っていて、挑戦すること、自分ですることには、声援が起こりますし、個人ですることに関して、その人の肩書きではなく、その人のしていることに注目してくれます。それと、過去の経験者はいろいろなことに親身になって相談に乗ってくれます。そうすると、夢が膨らみ、やる気が沸いてくるのでしょう、次々と新しい技術が出てきます。そして、可能性に賭けて、事業を起こす人達が出てくるわけです。
支援する人が、期待するもの
支援する人は、ビジネスの成功に期待をしています。それは、投資や奉仕に対する利益の分配です。事業を始める人達は、当然資金は十分ではありません。ですから、投資家として支援する人達は、起業家に資金を提供し、その成果配分を期待しているわけです。それがあるから、ベンチャーの人達は利益を上げることか、あるいは株価を上げることに、一生懸命になるわけです。
夢だけではない現実となお夢を追う人々
事業家が事業を始めると、数多くのことを一度にしなければならなくなります。すなわち、資金繰りから、マーケティング、ライセンス交渉から、従業員の管理まで、会社としてのあらゆる要素に目を配らなければいけません。しかも、どれか一つでも抜けると、そこで事業は失敗することになります。この点が、投資家も一番気にしているところです。シリコンバレーでは、そのような場合には、支援する仕組みを、投資する側が持っているケースが見られます。すなわち、経営資源を含めて支援する体制を作っているのです。ですから、場合によっては、経営者を交代させることもやります。
投資家として納得の行く経営をして、配当を要求するわけです。
目利きの存在とデータベース
夢に投資するわけですから、夢の実現性のわかる人がいなければいけません。これが、目利きといわれる人で、夢を目利きする人、事業の発展性を目利きする人などなど、過去の成功と失敗の体験も含めて、その蓄積が、大きなデータベースに名っています。最近は特に、ベンチャーキャピタルへ起業家がビジネスプランをどしどし提出するので、新事業展開の鳥瞰図が描きやすいといいますし、ベンチャーキャピタル自身の成功確率が、驚くほど高くなっているといいます。
日本人の夢
これが、夢といえるのかどうかわかりませんが、日本では宝くじとパチンコというのが、売り上げで10兆円近くあるといいます。シリコンバレーのベンチャーキャピタルの投資額が5000億円といわれていますから、10兆円の10%でもベンチャー事業にまわせれば、夢を持っている人達が多く出てくるのではないでしょうか。1兆円では多すぎるかもしれませんが、それなら1%の1000億円を、ベンチャーの夢に投資するのは、どうでしょうか。これなど、小さな負担の割には、大きなインパクトがあるように思えます。
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