米国での、お店の営業は戦略的に(売り上げ最大を目指して)展開されます。はじめにびっくりしたのは、朝7時からやっているお店があるのと、店の支店ごとに営業日や、営業時間が異なっているのです。そして、図書館サービスなどは、夕方会社から帰った人でも利用できるように、夜9時まであいています。今回は、戦略的な営業時間と、サービス的な営業時間を比較してみたいと思います。
すべてのビジネスはサービス業と考えてみる
これは、仕事をしながら考えた事ですが、すべてのビジネスはサービス業である、ということはほぼ間違いがないと思います。それは、たとえ農家がお米を作ったとしても、食糧を供給する、サービス業と考えるのが正しいと思うからです。ここでは、お米を作ることは手段であり、目的は食糧を供給するということになると思います。手段ということであるならば、代替えも考えられるし、合理化も当然するべきことだと思います。もちろん組織の中でも同じでして、一つ一つの仕事はそれを送り込む次の工程へのサービスとなります。良く言われる「後工程はお客様」というのは、その通りで、そのつながりの最後が本当の顧客になるわけです。
サービス業は同じ中味では価値が生まれない
米国では1970年代からデパートが、総合商品を扱うのをやめ始めました。これは、同じような商品構成では、固定客はつかないし、個別部門では専門店に圧倒的に負けてしまうからです。現在では、Searsのように、工具や車整備関連を中心に事業展開する「専門分野を持った」デパートが発生しています。
営業時間は、顧客を絞り込んだ結果
営業時間と、対象とする顧客は販売戦略の重要なポイントになります。すなわち、お客の時間に合わせた営業活動が、お客を引き付けるということになるのです。一例を挙げますと、米国人は、自分の家の手入れをまめにやります。そうすると、日曜大工道具の販売店は、土曜、日曜には朝6時半から営業するのです。文具店も、朝事務用品を売るために、8時には店を開いています。すなわち、顧客対象に的を絞って、営業活動を始めるわけです。
パートを広く使う工夫
レストランというのは、忙しさが集中する、かなり特異な営業形態です。一番混む時は店から人があふれ、空いている時はがらがら、という極端な差があるビジネスです。その時に大事なのは、お客を待たせない工夫です。すなわち厨房の大きさ、効率そして、ウェイター、ウエイトレスの人数です。これを、タイミング良くコントロールすることが、重要なことになります。それで、パートの人の活用が重要になります。
ロジスティックの観点から
余談ですが、サンフランシスコ市とサンノゼ市をつなぐ鉄道があります。Cal Trainというのですが、朝夕の通勤時間には1時間に4本、日中は1時間に1本運転されます。夕方の時間帯にサンフランシスコから乗ったことがありますが、ホームは7つほどありまして、どのホームにも列車が待機しています。すなわち、出発時間が異なる列車がずらっと並んでいるのです。このときも、米国のロジスティックを垣間見た感じがしました。すなわち、物をふんだんにという発想です。日本ならいかに効率よく走らせるかを考えるからです。(1時間に12本出る、東海道新幹線の東京駅のホーム数は確か同じ位か少ないのではないかと思います)これは、供給という観点からすると、一つの重要なポイントになります。
個別に動かないと、変化は起きない
インターネットでの新聞情報でも、日本の百貨店の売り上げが低下傾向をたどっていると出ています。これは、ここ数年続いていて、誰も手を打っていないように思えます。顧客を明確に定め、それに合わせた営業活動、営業時間、品揃えなど、することは沢山あるように思えます。しかし、個別での動きがないので、変化が起きていないように思えます。有名な話ですが、昔セブンイレブンが始めて日本で店を出す時、その店を出す下町の商店街の人通りは午後8時以後ほとんどなかったといいます。でも、店を出したから、現在では人々の購買パターンや社会活動時間などまで変わってしまったのです。この例を比べながら、私にとってのビジネスの質の向上とするべき事を考え込むこの頃です。
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