日本の状況で、いくつか気になることがあります。一つは、労働生産性が先進諸国の中で低いということと、情報化度というIDCでの指標で、一昨年は世界第四位だった日本は、昨年は第九位へと後退しています。(www.idc.com )
Network Solution社の調査では、ドメイン名の登録数では一昨年9位から、今年は11位へと後退しています。 (http:/www.netsol.com/news/pr_19990112b.html)
これは、単純に景気の後退という事を原因にすることもこともできるのですが、どこ国が伸びているのかをデータで眺めて、考えてみたいと思います。
情報化度は北欧が上位
IDCの情報化度という指標での世界ランキングはでは、次のようなランキングになっています。
1. USA 2. スウェーデン 3. フィンランド 4. シンガポール 5. ノルウェー 6. デンマーク 7. オランダ 8. オーストラリア 9. 日本 10. カナダという順位になっています。北欧が上位にいるのは、全世界の携帯電話の2/3のシェアが北欧製であることと合わせて考えると、納得できる数字だと思います。そして、アジアではシンガポールが国策として、インターネット基盤整備を推し進めています。空港だけでなく、情報もハブを志向しているわけです。しかも、すでにADSLという既存の電話回線でISDNのスピードの10倍近くの通信速度が出せる、ADSLを配備しているという状況のようです。
ドメイン登録数は中国に抜かれた
Network Solution社の98年のドメイン登録数の順位は以下の通りです。
1. USA 2. カナダ 3. 英国 4. ドイツ 5. フランス 6. スウェーデン 7. スペイン 8. イタリア 9. オランダ 10. 中国 11. 日本 12. オーストラリアとなっています。これは、人口総数やパソコンの普及率などの影響を受けますから、一概に論じられないかもしれませんが、日本より人口の少ない国々が上位にいるのは、インターネット普及率の高さと考えられます。そして、中国は、登録ドメイン数で日本を抜きました。
中国のインターネット、情報化度の状況
先日、香港、深セン、上海を訪問する機会がありました。道路や交通は日本の60-70年代という感じで、車優先で道路ではクラクションを鳴らす場面が多く見られました。しかし、インフラはどう見ても90年代という感じでした。その理由は、次のところにあります。
1. 上記の都市の公共交通機関(バス、地下鉄、タクシー、モノレールなど)はすべて1枚のICカードで支払いが出来る。そのカードの金額が不足すると、自分で現金を上乗せできる。
2. 高速道路や、大規模のビルが欧米の会社の資本を受けて完成し、それに伴う最新のシステムが、導入されている。(高層ビルは、日本のものより高いものも多くある)
3. 少子化政策のため子供の教育に投資する人が多く、上海ではパソコンの普及率が40%を越えているという。
4. インターネットに関する、政府の介入は少なくとも上海にはない、という。
5. 通信費はやはり高い
ということがわかりました。
VHSよさようなら
上海で気がついたのですが、中国にはVHSのビデオがほとんど売られていません。理由を聞くと、もはやこれからはCD-VとかDVDに変わるのだから、VHSのテープなどもう要らないというわけです。私も、それならとタイタニックの中国語のCD-Vを4枚組みで買ってきましたが、確かに後から来る国は、日本と同じ道を進まなくても良いわけだと実感しました。おなじように、電話は携帯から普及していますし、日本の進んできた道を後をついてくるというイメージは、まったく有りません。
それからどうする
こんな状況を見ていると、各国は着々と新技術を取り込んでいるように見えます。それに比べると、先を走っていたはずの、日本の情報インフラの整備が、まだまだゆっくりしていることがわかります。後から来ると思った国は、別の道を進んでいることもあるわけです。その中で現在は、通信コストの低減を含めて、この情報インフラを早く整備することが、21世紀の日本を活性化するために必要な重点項目ではないかと思います。
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