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【復刻】 073 データを採るということ 19990404

前回は、結果を評価するということがいかに重要であるかについて、ご説明しました。これは、頭では解っても、具体的にやる場合には大変難しい事だと思います。今回は、その為に何をすることが必要になるかを考えてみたいと思います。その前に、現在日本の置かれた経済状況を振りかえってみて、どのような過去があったかを見てみたいと思います。
日本の製造技術を、世界に冠たるものにしたのは、TQCシステムで、これにより日本の製品は高品質、低価格を成し遂げました。これは1980年代の半ばに、世界の半導体業界を席巻し、あのインテルをして、日本に負けたと言わしめたわけです。今からほんの10数年前のことです。それから、米国は日本に学べということで、産官学挙げてTQCのシステムを学び、経済活力の回復をねらいました。その中に、NPOを積極的に活用する仕組みなど取り入れ、優れた技術、システム、社会制度そしてリーダー達を輩出しました。90年代に入ってからは今や、経済活動では米国の一人勝ちが現実に起こってしまっています。

 

データを採るということは、戦略の実行部分である
データを採ることは、戦略と連動しています。それは、戦略の実行部分であり、評価につながる要因になります。その評価項目が明確であれば、評価をしてすぐに対応することができます。対応しなくても、過去の実績と比べてどのようなトレンドで動いているのか判ります。そこで、データの重要性が出てくるわけです。データ自身とデータを採る項目が、実は戦略実行部分になっているのです。それを忠実に見ることが、次の展開を図る上で大切なことになります。

PDCAというサイクルからPFARサイクルへ
一昔前は、日本のTQCでは、Plan Do Check Actionというのが、PDCAサイクルとして使われていました。しかし現在ではPlan Follow-up Action Resultsというのが、米国での手法になりつつあります。PFARサイクルと呼ぶ人もいるそうです。これが出てきた理由は、PlanからDoまですぐに行ってしまうと、失敗する要因を見落としている可能性が高く、しかも、修正が必要になったとき、リカバリーが遅れるということにななるためだそうです。こんなところにも、評価のスピードと重要性が出てきています。

データがないと始まらない
このように、データを採ることは、自分の現在位置を確認することであることがわかります。どの項目について採るか、どのようにランク付けするのかは、ほとんど戦略の実行と同じレベルとなります。ですから、結果が出たときには、戦略にまで遡って、修正をかけたりできるわけです。そのことが、実は経営のスピードを上げる、大きな力となるわけです。項目を選ぶこと自身が、重要な戦略項目なのです。そうすると、自分の目指す目標を明確にすることが、効果的な状況評価になるわけです。極端に言うと、評価のない活動は、単なるやりっぱなしの結果しかもたらさないのです。

戦略があれば評価は難しくない
回りくどい言い方で、お判りにくいかもしれないのですが、要はデータで論ずるということしか、人間にはできないということです。更に考えてみると、データを残せば、後からの人たちは、それに基づき学ぶことができます。インターネット上の米国のニュースサイトは、過去のデータの蓄積の塊です。そして、CNNのTVでのニュースの説明の最後は、www.cnn.comを見てくれ、と出てきます。これがデータのすごいところであり、積み重ねこそ、価値を生む必要条件なのです。これからの、日本の再生という言葉を考えると、動きを確認するためと、後世の人が学べるように、データを採るということの重要性を、痛感します。

 

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