【復刻】 055 日米セキュリティー比較 19981004

米国で、高校生のライフル乱射事件があったり、日本で毒入りカレーライスとか、毒入り缶飲料などが出回って、実際に少なからず犠牲者が出ています。社会的な観点からすると、住みにくいことですし、それを防ぐためにはコストもかかります。そうは言うものの、Fフクヤマも、20世紀は、民主主義にならざるを得ないという結論が出た世紀であると、強調しています。今回は、そのような身近な安全を考える上で、セキュリティーという観点から、日米比較をしてみたいと思います。

身近なところのセキュリティー
生活する環境回りでのセキュリティーというのは、重要なことです。これは地域に住む人がその場所を安全にするか、という地域という意識と、少なくとも我が身は守りたいという、個人的意識と２通りあると思います。地域という観点では、向こう三軒両隣というのは重要です。私の経験では、米国では住んでいるところでは、日ごろから、顔を合わせると挨拶したり、車で通りがかるときも、運転席から大きく手を振ったりして、「私はご近所として、あなたがたには無関心ではありません」というメッセージを発信します。そして、井戸ばた会議的な、立ち話がよく見られます。日本と大きく違うのは男の人同士の会議も、数多く見られることでしょうか。そのような中で、地域のセキュリティーが形作られるように思いました。後者については、あまり語る資格はないのですが、ピンは億万長者のセキュリティーから、普通の警備会社のものまで、いろいろあります。通常の警備会社のものは、建物の火災通報まで含めているのと、盗難や侵入に関するものを中心にするものなど、いくつかのオプションがあります。普通は、火災連絡（これは、煙感知器の設置が義務づけられているところが多いのでそれを利用します）と、家屋の侵入アラームとが、セットになっています。家庭でも、そのような警備保障に入っているところが、増えている状況です。

会社のセキュリティー
会社のセキュリティーは、出入りにIDカードを使うことで識別するのが普通です。もっと、機密度が増えると、映画に出てくるような、虹彩で識別したりするそうですが、私は今まで、お目にかかったことはありません。そして、自前の警備というよりは、各種のセンサーを付けて、そのアラームがなったところで、外注の警備会社から、警備員が駆けつけるという方法が多いようです。この方が、警備員を雇うより、コストも安いですし、地域の安全度の応じた選択をしていると考えられます。

ホテルのセキュリティー
この部分は、日本と比べて大きく違うのではないかと感じています。ホテルで必要なセキュリティーは、安心して滞在できることです。まず、米国のホテルでは、セキュリティーとプライバシーと関連付けているように思います。これは、私の経験ですが、会社の仲間と出張したときに、フロリダのホテルに泊まりました。その日の仕事も終わり、夕食を食べに行こうということになりました。私は、フロントに行って、メンバーに連絡を取りたいので、内線番号を教えてくれ（これは、部屋番号を教えてくれということと同じなのですが）と頼みました。しかし、フロントは、部屋には電話をつなぐけれども、内線番号は教えられないと、拒否されました。このことで、ホテルのセキュリティーという考え方に気づかされました。そして、プライバシーを守ることともつながっていることがわかりました。
これと、同じ事を日本のホテルでやったことがあります。Pホテルといえば、日本でも有数のホテルチェーンですが、そのフロントで、だれだれさんの部屋番号はと聞くと、すぐに教えてくれましたし、
むしろ、名前を言って、電話をつないでくださいとお願いしたときなど、部屋番号はご存知ありませんかと、逆に聞かれる始末です。

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    八木  博 E-Mail  hyagi@infosnvl.com