米国では、Windows95について司法省との独占禁止法との結論が出ていないうちに、6/25 にはWindows98が発売となりました。こちらのShopも営業時間を6/25の午前1時まで延長してキャンペーンをしました。今回はWindows98に対するシリコンバレーでの個人レベルの反応を見てみたいと思います。
私は、Windows3.1を使っているよ、という人達
これは、子供のサッカーの試合の応援に行ったときの話です。応援に来ている父兄と話をしましたが、パソコンのことなどを話したら、結構盛り上がりました。そのときの話はこうです。私も入れて4人で話をしたのですが、家で使うパソコンにWindows95を入れているのは、私ともう一人だけの2名でした。残りの二人のCPUはPentiumではなく、386とか486でWindows3.1を使っていました。
今のままで困らないからという論理
後者の二人が言うには、Windows95は確かに良いけれど、現在の手持ちのマシンには少し重すぎる。Windows3.1でワープロや、メールなど何も困らないよというのが答えでした。1年以上前ですが、Microsoft社がWindows97(その当時は1997に発売する予定だったのですが!)の発売を6ヶ月延期すると発表しました。
その理由は、Windows95からのUpgradeだけでなく、Windows3.1からのUpgradeもサポートするということに、考えを変えたからでした。当時(1997の4月)、私の知っている範囲では、米国のパソコンのOSはWindows95が40%、Windows3.1が50%、残りがMacと言われていました。どうして、Windows95の採用が少ないのか知人に聞いてみましたが、彼の答えはこうでした。まず、個人ベースでは、すでにWindows3.1のパソコンを購入した人は、そこそこ使いこなしているので、特にWindows95でなければできないことなど必要としていない。もし、Windows95にするのであれば、ボードやCPUなどの必要最低限の部分を買い換えることで対応するがまだ、値段も高く(当時両方で$500以上していました)買いかえる気にならないね、と話していました。
それとは別に、会社では情報システムのマネージャーという人がいます。彼は会社のネットワークのメンテナンスや、システムの更新などを行いますが、突然Windows95に切り替えて全体が止まったら大変だから、危ないことはやらない人のほうが多いと思うよ、と言っていました。そんなわけで、米国ではWindows3.1を使っている人は、まだまだ多いのです。それは、Windows3.1の時代にすでにパソコンが普及していたということでもあるわけです。
もっと深い理由
Windows95とPentiumという組み合わせは、1995年からどんどんとCPUの性能を上げ、使えるソフトウェアも巨大化してきました。(ちなみに日本語版のMS Office97のフルインストールは300MBの領域をとるのです)確かに、Webや拡張された機能など、あって困らないのですが、無くても困らないものが増えてきていると言うのは、一緒に話した父兄たちも、一致しました。
すなわち、利用者の囲い込みが行われて、利用者はその中でしか選択の余地がなくなってきてしまったということです。この現象に対して、米国司法省や連邦通信委員会がMicrosoftやIntelを独占を乱用しているとして、訴えを出してきたわけです。まさしく巨大化したシステムしか選択できないところに、消費者としては、あまり満足できない状況があるように見えます。
Windows98の代わりはないのか?
これには、以前一部の方にはご報告しましたがBeというOSがあります。Pentium上で動く、軽くてマルチメディアに対応したOSです。そして、それとは別にいよいよ出てきたのが、Linuxというパソコン用のUNIX互換のOSです。朝日新聞の記事によれば、私の住んでいるSunnyvaleのFry'sというショップには、Windows98の発売の時間に合わせて、Linuxの支持者達がOSをCD-ROMで配り、「なぜ、バグ取りをしたOSにお金を払うのですか?」とプラカードを掲げたそうです。
初物買いに来たお客も、入場した人の半分以下しか、実際にはWindows98を購入しなかったという話も聞きました。
Linuxとは?
これは、無料のOSだそうです。そして、既存のUNIXと互換性があり、CPUも多くのもので動くことが確認されています。UNIXで使えると言うことは、ネットワークが容易と言うことですし、しかも、既存のCPU(ハードウェア)を取り替えなくても使えるということになります。私達はいろいろなことができるためには、巨大なパワーが必要だと考えていますが、もしかすると、そうではないかもしれません。OSだけでなくアプリケーションの分野では、JAVAというアプリケーションソフトウェアがすべてのOS上で動く世界を作ってしまいました。そうすると、既存のCPUでも、使う人がやりたいことをすべてできる可能性がでてきます。これは、分散、個別を統合すると言う意味でネットワークの本質がすでに揃っていることを示します。
私の場合
私も、Windows95を導入してから、PentiumのUpgradeやメモリーの増設など、ずいぶん真面目にやってきました。(お金もかかりました)システムの面倒を見るのに、結構時間を使ったりして、くたびれてきたのは事実です。ですから、Windows98を自分のシステムに入れるのは、しばらく後にしようかと考えています。しばらくすると別のOSの世界が動き出すかもしれないという予感もありますので。
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