E-Mailの利用は,米国でも盛んです。そして社内のネットワークでの利用や、インターネット上で無料で送れるE-Mailサービスなどいろいろあります。MSに買収されたHot Mailと言う会社は、無料E-Mailサービスの会社のひとつです。では、実際のビジネスの場ではE-Mailはどのように。使われているでしょうか。従来の電話などのメディアと比べてコミュニケーションの内訳はどのようになっているでしょうか。最近のSan Jose Mercury Newsに面白い記事がありましたので、このデータと、実際の感覚も含めて、考察してみたいと思います。
ビジネス情報の分類
ビジネス情報は、E-Mailだけでなく、電話、FAXそして、郵便など配達されるものもあります。San Jose Mercury News紙に掲載された調査は、事務用品の会社であるPitney Bowes Inc.というところが調査資金を提供して、大手の企業に勤める、1000人の従業員から、アンケートやインタビューでデータを集めたそうです。(San Jose Mercury News 1998.05.20.付)
まず、1日190件の連絡があるそうです。そして、その内訳は次の通りです。
E-Mail(パソコン経由のメール)が48件
電話が84件
手紙、書類、サンプルやメモが36件
電話以外のFAX、ポケベル、携帯電話が22件
となっています。
E-Mailの内訳
これは、会社外から30件、社内が18件です。一日にこれだけのメールを見て返事を書くのは、結構大変ですが、かなりの数であると思います。そして、社内よりも、外からのものが多いというあたりは、米国の勤め人が個人ネットワークを構築している表われかもしれません。私の知り合いの日本人に聞いたところ、会社外からのメールは、一週間でも数えるほどしかないと言っておりました。
電話の内訳
これは、52本が直接かかって来たり掛けたりするもの。22本がメッセージを残したもの、あとは電話がありましたという、メモだそうです。ここで、22本のメッセージを残したものは、通常ボイスメールと呼ばれて、通常電話会社がサービスをします。これは、お話し中や、不在のときに相手からのメッセージを電話会社が録音しておき、あとでその電話番号のユーザーがメッセージを聞くことができるサービスです。これは、出張中でも外からメッセージをピックアップできますので、重宝がられて使われています。逆に、この機能を利用して担当者は電話にすぐには出ない、日系企業があることを知っています。仕事を中断されたくない場合など、有効な機能です。
手紙や、メモの内訳
これは、外からの手紙や社内のメモで、紙を使ったものです。36件のうち、郵便局経由のものが18件、翌日配達のものが7件、そして、社内でのポストイットを使ったメモが11件だそうです。重要な書類は大体翌日配達にしますので、かなりの数の郵便が来ている感じになります。この翌日配達の世界をリードしているのがFEDEXです。現在では米国内の場合、翌日配達で午前10時までというのもサービスになっています。最近、Logoが変わって、The Way The Business Goes.と宣伝しています。訳すと、「ビジネスには、これしかない!」というメッセージでしょうか。ポストイットのメモは社内での依頼などには多く使われます。簡単なメッセージで会社内の関係であれば、仕事の依頼や情報の提供によく使われます。
電話以外の連絡の内訳
この部分は、結構面白いです。FAXが15件、ポケベル(米国ではPagerと言いますが)が4件、携帯電話が3件、ということで、紙でのFAXなども仕事では、多く使われています。Pagerは、私の周りの人はもっと件数が多いような気もしますが、オフィスで仕事をする人はこんなものかもしれません。
現在のコミュニケーションは電話が中心
このデータで、電話にポケベルや携帯電話を含めますと、91件となり、過半数となります。ビジネスの中心がまだ、電話であることは事実です。しかし、仕事をしている人の多くは、電話などで仕事を中断されることを、嫌っています。頻度としては1時間に6回くらい何らかの形で中断されるのにいらいらする、と出ています。たしかに、米国の人は仕事をしていたり、相手と話しているときには、電話がかかってきても、受話器をすぐには取り上げません。その意味では、電話でなくても伝達できる方法があれば、広がる要素は大きいです。E-Mailは本格的に使われ始めてからはまだ10年ほどの歴史だと思いますが、コミュニケーションのツールとして、定着しています。電話と違って、記録が残りますので、仕事の上での取り進めとしても、ますます活用されると思います。
これからの展開予測
これから先のは、コミュニケーションの方法は大きく3つに分かれると考えています。一番目は現物配布による方法と、二番目は情報提供が中心になるものです。三番目は、相手の信頼性を確認するための手段ではないかと思います。一番目は、サンプルや現物を見てもらうということで、ビジネスではいつまでも重要な要素として残るからです。二番目は、現在電話でされている内容の一部と、FAXの情報がまとめられると思います。これには、E-Mailでマルチメディアを使った世界が来るのではないかと予想しています。そして、三番目が最も重要な要素と思われるのですが、その人とのコミュニケーションということになります。これは、E-Mailでは済まされないレベルで、いつまでも、残るような気がしています。そして、実際のビジネスは人間的なタッチを残しながら、進んで行くような気がします。ですから、これからは電話を使ったコミュニケーション(E-Mailも入れて)が90%で、現物のやり取りが10%という感じになるのではないかと推定していますが、皆さんはどうお考えになるでしょうか。
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