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【復刻】 038 米国のTV その1 19980601

巨大メディアと群小メディアの動き
巨大なメディアがCMだけでなくニュースまでビジネスにしてしまうのに対し、ひたすら議会中継や政策発表などを発信しつづけるチャンネル(C-SPAN)があります。一昨年にケーブルTVのチャンネル割り当てが見直されたときに、C-SPANという、Washington DCで家族3人で経営されているTV会社は、チャンネル枠を増やしたのです。それから、私は米国でのTVの仕組みに注目してきました。今回は、米国のTVについて、大きさを中心にご報告します。

 

ニュースはインターネットがメイン
TVは一般の地上波のもの(これはアンテナが要りますが)、ケーブルTVと衛星放送のBS,CSがあります。私が以前住んでいた東部の都市では、NHKの国際放送を入れるために、衛星放送を利用していましたが、シリコンバレーではケーブルでTVを見ています。シリコンバレーでは日本語でのニュースも毎日流れますので、衛星放送は必要ないと考えました。ご承知のように、ケーブルのチャンネルであるCNN, MSNBCのいずれもニュースを24時間やっています。ほかに、地上波ではNBC, ABC, CBSなどの巨大メディアが、ローカルの放送局を系列に入れて、沢山の番組を流しています。
マイクロソフトがMSNBCに参加した理由が、メディアはインターネットに乗り換えられると言う見通しに基づいてでしたが、もはやCNNもTVの番組報道中に、もっと詳しいことは、www.cnn.comを見てくれと言うわけです。このことは、もはやニュースはインターネットに拠点を移したと言うことだと思います。すなわち、TVの短いニュースの時間では報道できることがあまりに少ないと言うことでしょう。
迅速性と、履歴まで遡れるインターネットは、メディアとして群を抜いていると言うことだと思います。そして、www.cnn.comにアクセスした方はご存知だと思いますが、TV報道そのものとは別に、過去のニュースへのリンクや、文字のニュース記事など沢山入っています。立花隆さんが、CNNのインターネットの記事ひとつを追って行くと、新書の本が6冊書けるとどこかでおっしゃっていましたが、実際奥行きが深いものがあります。

群小メディアの取り扱い
これら、巨大メディアの中には群小メディアが入っています。先ほど挙げました、C-SPANもそのひとつですし、民族による番組もかなり用意されています。例えば、スペイン語と中国語は専門の局を持っています。ですから、そのチャンネルに行けばこちらに住む人達は母国語の世界に戻れます。その他の言葉についても、地上波の局の割り当てがあって、日本語放送、その他がある時間帯で放映されます。(これは、米国西海岸での話ですので、その他の地域には当てはまりませんが)この規定は、そのエリアの行政がMinorityの意見を取り入れて、規定したと聞いています。(もし、認識が違っていましたらご存知の方お教え下さい)

ケーブルTVの実情
ちなみに、私のつないでいるケーブルTVはTCIという全米一の規模の会社なのですが、受信できるチャンネルは46、その他 Pay Per Viewという見たい番組にお金を払うチャンネルが5あります。この世界もハイテクの津波に洗われていまして、今年の4月のNBAという全米放送業界の展示会がラスベガスで開かれたときに、MicrosoftとSun Microsystemsの戦いが起ってしまったのです。見方によっては、TCIが両者をけん制しているとも考えられなくはないのですが、次のようなコメントが立て続けに発表されました。まず、開会前日に、次世代のTCIケーブルTVにはJAVAのアプリケーションを採用すると、Sun MicrosystemsのScott Mcnearyが発表しました。それから2日後、MicrosoftのBill GatesがTCIの受信端末として500万台のWindows CEマシンを売る契約をした、と会場での講演会で発表しました。いずれにしろケーブルTVの先行きを示す大きな動きなのですが、今のところはMSとSun Microsystemsはどちらも譲らずと言う感じですし、TCIもどちらも無視できないと言う立場だと思います。ですから、ニュースなどのコンテンツにMicrosoftが入ってきただけでなく、システムの構築にまで、ネットワークやOSという以前とは違う技術、業種が入り込んで、そして主導権を取らんとしてきているわけです。

Web TVなどの動き
これら既存のメディアだけでなく、WebTVも新たに市場に参入しようとしています。そうすると、ますますチャンネルが増えて、しかもそれらがインターネットと強くリンクされるわけですから、今後の競争は、内容そのものと、端末の外側にどれだけ開かれているかがビジネスのポイントになると思います。かく申す私も、まだ既存のメディアの中からはなかなか出られませんが、インターネットが情報の中心になるのはとても良く理解できます。そして、使う立場として、これからの新しいメディアの中に日本のコンテンツや技術が沢山入ってきて、世界を楽しくしてくれるのではないかと期待しているのです。

 

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