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【復刻】 019 米国の気概 19980112

米国でベンチャーと騒がれていますが、新しいビジネスが沢山出てくるところまではわかりますが、成功する会社は2-3%であると言われています。結果として成功したビジネスを見ていると、内容もさる事ながら、人間的な要素が深く関わっているような気がします。その一つが創業者の気概です。新しいビジネスの種を育てつづけるために、気概と言うものが必要になってきて、その気概が仲間を集めてビジネスを広げて行くと言うのが成功した会社の共通パターンのような気がします。米国での個人は、マイペースで動くように見えます。しかし、ひとたびビジネスと言う点で見ると、そのスピードは驚くべきものがあります。今週はいくつか気概について気のついた事をまとめてみたいと思います。

 

Apple Computerの気概
Appleは、シリコンバレーにパソコンをもたらした最初の企業であり、パソコンでのマーケットシェアは現在は5%位になってしまいましたが、今でも信奉者の多い会社です。とりわけ本社がシリコンバレーにありますので、こちらでの人気は高いです。昨年の第三四半期(97/7-9の3ヶ月間)の決算が出たときの事です。新聞の一面にApple 10億ドル(約1200億円)の赤字という見出しが出ました。ふむふむと読んで、その紙面の最後のページを見ました。そこには「To the crazy ones.」(おかしな人たちへ)と書かれた広告がありました。その中には、アインシュタインやガンジーやはじめは世の中の「枠」や「常識」からはみ出た人ではないか、その人たちが歴史を変えてきているのだ。Appleはその人たちをCrazyとは見ない、歴史を変える天才と見る。そしてその人たちに、Appleはツールを提供しつづけるのだ!そこで、Think Different(皆と違う事を考えよう)というメッセージを出しているのであります。TVでも同じような広告を打っていました。今週の報道では、Appleの第四四半期(97/10-12)は6億円ほどの黒字決算になったようですが、広告の打ち方を見ていると、Appleはお金儲けだけでないビジネスをしている感じが垣間見えて、ファンを引き付けるのは製品と思想であるというのを、感じました。武士は食わねど・・と言う言葉を思い出しました。

Intel社の社長、Andy Groveの気概
Andy Grove氏はIntelのCEO(会長)です。彼はTime誌の1997年のMan of the Yearに選ばれました。Intelの会長を1987年から続けています。その間にIntelはPentium Processorを開発し、今のような圧倒的なシェアを持つ会社に成長したのです。これはひとえにAndy Groveの力によるものといっていいと思います。そんな鉄人のような彼でも、やはり人の子です。彼は、1994年に自分が前立せんガンである事を公表しました。これは、株主への情報公開として義務づけられている事もありますが、彼自身がガンに対して立ち向かって生きて行く決意の表明でもありました。それ以降も、もちろん仕事も前にも増して続けていますし、Intel社の業績は相変わらず大きく伸びています。彼自身は、科学者としての態度でガンと対峙しているそうですが、菜食中心に切り替え、活躍しています。彼のやり方を見ていると、現在やるべき事を気概を持ってひとつずつ片づけて行く事によって、人と会社が最適解(極大値)にたどり着いているような気がします。

庶民の気概
現在、プロスポーツはフットボールが最終局面に来ています。スーパーボウル出場をかけたプレーオフが行われています。昨年はGreen Bay Packersと言うチームが40年ぶりにスーパーボウルで優勝しました。このチームは、ウイスコンシン州にある人口10万人ほどの小さな街のフットボールチームです。この小さな街は、経済的には決して豊かではありませんので、地元のボランティアやサポーターが、幅広く住民にも寄付を呼びかけ、しかもチームの支援活動を手弁当で行った成果と言われています。今年もベスト4まで勝ち残ってきています。今日はこのチームと、SFの49ers(フォーティーナイナーズ)とがスーパーボウルの出場をかけて対戦します。場所はSFの3Comスタジアムです。そうしますとSFに近いわれわれの街には、なぜか49ersのジャケットを着た人や、帽子をかぶった人が街に出ているのを目にします。Green Bayだけでなく、各チームは地元の支援の上で成り立っているというのが良く分かります。さしずめこれなどは、庶民の気概が地域の活性化に貢献している表われと言えるでしょう。

悲しいお知らせ
第14号で、クリスマスパーティーの中でお知らせした、末期ガンのクレードさんは12/26に亡くなりました。ここに皆様にお知らせするとともに、彼のご冥福を祈りたいと思います。

 

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