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【復刻】 007 多民族都市シリコンバレーの行動様式に学ぶ その2 19971013

何てったって料理はアジア系が一番!
今週は、料理について考察してみたいと思います。私の好みが中心になりますが、ひとまずお読みください。

 

だしの文化
米国でいわゆる洋風の食事を続けていると、私は無性に”だし”を使った料理を食べたくなります。
だしを使った食事文化は、アジアにしか無いように思います。今回は、シリコンバレーでの食べ比べから、アジアの食事と米国の食事の差について、比較してみたいと思います。

料理の王者  中華料理
はっきり言って、中国料理は料理の王者だと思います。理由は使う素材が豊富であることと、
調理方法にいろいろな工夫が凝らされていることです。シリコンバレーは中華料理の本場ではありませんが、アジア系でも中国人が多分一番多いでしょうから、かなり本場の味を保っていると思います。というのは、私が以前住んでいた南部の街では、中華料理は味付けが”甘い”のです。
その理由は、米国人は甘い料理が好きなので、お客の好みに合わせると結果的に”甘い”中華料理になってしまうのです。ですから、冗談で「米国人がおいしいという中華料理屋には行くな。彼らがまずいという店に行け」という話もあるくらいです。シリコンバレーの中華料理屋は決して甘くありませんし、料理の種類はとても豊富です。中華料理がすごいと思えるのは、食材の豊富さです。魚介類、牛豚肉、鳥、はもとより、日常的に蛙、家鴨、などが普通に食されます。それでいて値段は決して高くありません。中華料理の店では、中国系の人たちが大きなテーブルを囲んで、丸揚げの魚をつつきながら、あのやや甲高い声でにぎやかに話をしているのをよく見かけます。

牛肉をさばかせると世界一  韓国料理
日本でも韓国料理はずいぶんと広まりましたが、シリコンバレーにもたくさん韓国料理店があります。韓国料理店は、辛いので、米国人はあまり来ていません。ですから、味覚は本場の味を維持しています。この料理のすごいのは、牛肉の使い方とキムチの付け合わせです。牛肉はあらゆる部位を使いこなしていると思います。これは、米国での牛肉がほとんどステーキとして食されるのに比べて、韓国料理ではカルビ焼きのように骨との混在部位や、内臓などいろいろ加工して食べさせてくれます。付け合わせのほうもなかなか凝っています。キムチといっても、普通の白菜キムチのほかに、大根キムチや胡瓜キムチが出てきますし、その他には豆付きもやしの炒め物や、揚げ豆腐の様なものや、サバの味噌煮、ちりめんの佃煮などなどが、お代わり自由で出てきます。
そして、辛口のスープを飲んでいると、何やら元気が出てくる感じがします。

鶏肉をさばかせると世界一  ベトナム料理
ベトナム料理は、こちらに来てからそのおいしさに目を開かされました。多くはラーメン風の麺類なのですが澄ましのスープなのですが、味にコクがあり飽きのこない料理だと思います。
私が感心したのは、食材の選択の幅が広いことです。たとえば、牛肉でも良く焼いたものを麺にのせるのか、生肉を麺にのせるのかとか、他の部位と混ぜるかなど、とても豊富です。
とりわけ、鶏肉に関しては”ブロイラー”ではない鳥を調理しているようです。ですから、歯ざわりも違いますし、油の量も異なっています。今のところ、週に1度はベトナム料理を食べないと、落ち着かなくなってきています。ここでも、レストランの中は東洋人が多くにぎやかです。

日本食レストラン  刺し身は世界一かも
日本食レストランは、日本人をお客と考えて日本食を提供しているところと、米国人を対象として食事を提供しているところと2通りあります。米国人対象の場合には、寿司と鉄板焼きというのが普通です。日本人を対象としたレストランでは、料理は魚中心で、刺し身は鮮度のいいものが手に入りますし味もおいしいといえます。この中に入るとここは日本ではないかとさえ思えることもあります。そのような店のネタも鮮度も決して日本国内にひけをとらないレベルまで来ているような気がします。最近のSushiブームで昼食時にはこのような日本レストランで見かける米国人も随分増えました。サービスの仕方、カラオケがあるなど、日本の文化を伝えるのには役に立っています。この日本レストランの一番の稼ぎはやはり夕方です。会社帰りの日本人が、新橋、神田の飲み屋さんを再現しているようなところころもありまして、日本の会社文化はシリコンバレーでも、根強く生きていると思います。その中心は日本人ビジネスマンですし、酒を飲むことが目的で、ついでに食事をするという点で、他のアジアの国のレストランとはやや異なり、「飲み屋」の要素がかなり多く入ってきています。

アジア系のレストランの位置づけ
FDA(米国食品医薬品局)も、1日に25品種以上の食品をとれば、ガンにかかりにくくなるとかキャンペーンを行っています。また、米国民の1/3以上が肥満で悩んでいるというデータもあります。それに比べるとアジア系の人たちは、スリムな人が多く活動的です。この一つの原因は日常的にいろいろな食品をまんべんなく摂取していることが一つの大きなカギのような気がします。たかが食べ物なのですが、ここにも、多民族都市としてのシリコンバレーが持つ多様性と、食べ方のヒントが表れているのではないかと思います。

 

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