- 2008-06-15 (日)
日本人の持つ特殊性を、あるがままに受け入れることで、世界に対峙しようという、とても刺激的だけど、やさしさに裏打ちされた本
日本人の背中 井形慶子著 は女性の感覚を素直に表現した本である。
著者は英国を中心に世界中で活動している。 その中で自分が気がついたことを素直に述べ、そしてあるべき姿(日本人よ誇りを持て)とやさしく表現する。 歴史的、経験的に日本人の持つ、特殊性(であり普遍的であるところ)、自国の歴史を考えない困った思想を乗り越えるには、もっと自分を大切にすることと、相手を思いやることが大切だと説く。 ひらがなタイムスという冊子を毎月発行して、日本と英国の相互のいいところを生かす活動につなげている。
この著者の視点は、「自分の軸足」をはっきりした上で、相互の関係を作ろうという発想である。 好きや嫌い、善悪、という対立概念を超えた部分から発想しているところは、並ではないと私は思う。 世界に出てゆく日本人にとって「今の君でいいんだよ」と言うメッセージは快い。 しかしそのウラにある「吾何たるぞ」の問いかけには、いつも答えていなければならない。
女性の役割で大きな部分が「子育て」だとすると、先ほどの対立概念など、子育てには無用なものである。 そんなことにかまけていては子育てなどできないわけであるから、これからの日本の将来も、こうした地道な活動に支えられる部分が大きいのではないかと思う。 日本でも女性の活躍の場が増えるほど、多元的な思考が増えて、しなやかな世界が来る、そう確信させる本である。
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