- 2008-05-26 (月)
シリコンバレーモデルという1995年に出た本を読み返す。当時のWeb1.0をシリコンバレーにいた人たちが受け止めた姿が、まとめられている。 Web2.0を迎えた我々の状況としてとても参考になる。
シリコンバレー・モデル―マルチメディア社会構築へのメッセージ
この本は、Silicon Valley Multimedia Forum(SVMF)という団体の出発時点での話がまとめられている。 1993-1995位の話である。
この本を手にしたのは、今年に入ってクパチーノの日本人のボランティア図書館だった。 なぜマルチメディアという言葉に当時の人がこだわったのか、あるいは今では日本では当たり前のFTTH(Fiber to the Home)のインフラの話など、今までわからなかったことの答えが出てくる。
思えば、Web1.0の時に大いに騒がれた「情報スーパーハイウエイ」も、日本ではすでに「当たり前」になっているし、マルチメディアは、「インターネットコンテンツ」として、Net上での流通のビジネスに変化してしまった。
このときの動きをWeb1.0革命(1995年として位置づけると)での前夜祭として捕らえることは、決して間違いではないと思う。 では、そこから学べることは何かといえば、Web1.0は、(Multi)mediaとかインフラに重点が置かれたことに対し、 Web2.0は、我々自身が関与しながらやれると言うことではないかと思う。
今度のSVMFの5月の例会では、日本での上場を果たし、米国に進出し、米国企業を買収するという活発な動きをしているリアルコムのシリコンバレー石川代表にお話をお願いしている。
まだ、はっきりとした形にはなっていないけれど、Web2.0革命でのシリコンバレーの日本人の関わり方は、Web1.0の時と比べて、もっと現実密着型になってきている。 Web2.0は、個人参加型の、新しいコミュニケーション世界の構築を意味するので、参加することからすべてが始まる。
SVMFの先輩たちのWeb1.0での経験は、こうやって生かされると考える。
とはいうものの、この著作メンバーにはYahoo!の創設者、現CEOのJerry Yangの奥様(Akikoさん)も入っている。
先見性のある団体だったから、シリコンバレーでも長く活動を続けることができている。 ありがたいことである。
そうだ、一つ忘れていたことがある。 この本はAmazonで買えるのである。 もはや立派な古本である。 探しても簡単に見つかるようなものではないこんな本が、簡単に手に入るのである。 この10年間でWeb1.0の時にはなかったインターネット上の新しいサービスがすでに浸透しているのだ。
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