- 2008-01-16 (水)
昨年末の、米国の売上データがでた。 私の予想は横ばいだったが、下降であった。 約40兆円を超える売上げであるから、すごい規模ではある。
それにつけても、Intelの売上げが、先行きあまりぱっとしていないので、株価が下がっている。Intelは相場全体を冷えさせてしまった。 確かに、半導体の売上げは伸びてはいない。 シリコンバレーのビジネスの根幹部分であるから、この危機を切り抜けて欲しい。
実際には、いくつかの手を打ってきている。 まずは、ベンチャービジネスへの投資である。 Intel自身のベンチャーキャピタルとして、新規技術への投資額は、Intel Capitalを通じて行なわれている。 それが年間1000億円を超えている。 この部分は、新規技術の製品化を外から持ってくる部分である。
もう一つは、大学との(基礎)研究への、人的、資金的協働研究である。 具体的には大学の研究者との共同研究もスタートしている。 これは、大学からもIntelからも研究者が20名ずつ出て、実際に大学内で研究をする仕組みである。(Business Weekにまとまった記事があったので引用した) UC BerkeleyやCarnegy Molon大学での研究がすでにスタートしている。
Intelのような会社でも、将来の成長を考えると、大学の基礎研究をもとに、企業内研究者が、協働してゆく。 先頭を走るということは、新規技術開発を求めることであり、Intelといえども、基礎へと立ち帰る選択をする。 そうすると、大学と産業界の(独自性を持った)相互の取り組み方が重要になる。
1995年と2006年の半導体売上げを比べると、日系企業の売上げの伸びが少ないことがわかる。 (結果として、ランクが下がってしまう)
このような部分でも、基礎研究との連携は非常に重要である。 そして、協働(共同ではない)研究というコンセプトも重要なことがわかる。 これから進む上で、、基礎に立ち帰り、それぞれの自立性を尊重した研究開発は、日本にとっても重要になる。 Intelのモデルは少し時間はかかるが、産業界と大学の活性化の手本になる。
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