- 2008-01-04 (金)
Mobilizing Mindsとは、知性の動員と訳す。 いかに、知を活用するべく、21世紀型の企業のあり方を示す。 副題は Creating Wealth from Talent in the 21st-Century Organizationとあるように、21世紀型の企業組織のあり方をまとめている。
1995年から2005年まで、米国企業の時価総額でTOP150社の利益が急上昇した
特に、知的部分の資産の増加が顕著であった。 その中味を検証してみると、社員の知的作業の割合が増えたことと 社員の知を活用する仕組みを作ったところが成果を出していることがわかった
"急上昇の内訳は知の共有
特に、タテ割りでの組織と、その中に上級管理職による協働体制を作った効果が大きい
社内にあるものを見えるようにして個人を巻き込んだ
背景として、ITを導入し、活用をはかった。
コミュニケーションコストが劇的に下がった。
この結果、社内の才能ある人の活用が可能となり、利益に対する効果は抜群になった。
ここでのポイントは、
組織階層を減らす
TOPと上級管理職の委員会(TOPと上級管理職の委員会である)
CEOは(上級管理職との)役員会を主宰
上級管理職であるライン、スタッフ役員が参加
各役員は下部委員会を主宰
CEOと各役員は協働体制
TOPダウンと協働の組み合わせが重要
無視できない、非公式ネットワーク
Networkは公式と非公式がある
多くの会社の組織は、公式に決められるが、社内の情報の流れや、行動のつながりは、組織とは別のNetworkで動いていることが多い
これを活用すると、欲しい情報や人材が見つけやすくなる
この改革の指標としては、一人当たりの生産性に注目した。
1995-2005の間に、大企業の企業価値は増大したが、顕著なのは一人当たりの企業価値や、利益の増大である
これは、ITによる効果で、上級管理職レベルで知的レベルの活性化と、社内優秀人脈の発見が容易になったことで、今まで逃していたビジネスチャンスや、質の高い仕事が遂行できるようになった。 それも、従来のタテ割りからよりフラットな協働へと変化させていった結果と考えられる
この著者達は、実はコンサルティング会社のMcKinseyの社員にである。 文中ではTOPと上級管理職の委員会をPartnershipでつなぐのが良いという表現になっている。 これは、米国でのコンサルティング会社、会計事務所、弁護士事務所などの組織体制と同じ形である。 もちろん、TOPはいるが、重要事項はPartnerたちで話し合われて会社が運営されてゆく。 従来の大企業も、このようは個人商店的な組織に立ち返ることで、上級管理職のそれぞれの人たちの責任感や、仕事は見えるようになり、やる気を引き出していることを示している。 特に、注意を引くのは1995年から2005年までに、知的資産の増加が10倍近くなっていることである。 知的付加価値をいかにつけてきたかが、企業の成長を支えていることが分かる。
この話を米国企業の経験者に話したところ、彼の勤めていた(AT&T)は1990年にはこの方式を採用していたという。 そして、Topから上級トップ、上級トップから末端従業員には Polycy Deploymentという、目的達成のための、話し合いが行なわれて、実行に移された。 定着まではやはり、長い時間がかかるが、TOPの強い姿勢が続かないと、浸透は難しかったという。
日本企業の今までのやり方は、階層のフラット化より縦階層のスリム化に向かっていた。 ここで、一人一人のやる気を引き出すためにも、知の動員に着手すべきと考える。Technorati Tags:
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