Home > Optimization | インターネット | シリコンバレー | ネットワーク | ビジネス | 思想・哲学 | 教育 | 最適化 > 【本-01】 フラット化する世界(07) T. フリードマン

【本-01】 フラット化する世界(07) T. フリードマン

フラット化は誰にでも、開かれた世界を提供する

第三部 発展途上国とフラット化する世界

   第十章 メキシコ守護聖人の嘆き 
   ラマダンに使うメキシコ守護聖人をかたどったランプも、現在ではメキシコ製ではなく中国製になった。 メキシコの地場と思われるビジネスが中国に市場を取られてしまう。 これは、メキシコ政府が自分達の置かれているフラットな世界での立場を理解されていなかったために起こった一つの事例である。 自分を観察することがフラットな世界では重要。 生活が向上するような生産性の高い雇用が存在するかが大きな問題。 この原因は、メキシコが国としての成功に向けてに投資や改革ができないことにある。
   
   小売改革と呼ぶ内容が対応できる国は、フラットな世界でのプレーができる。 
   IFCによればその要因は5つあり、
   1.自国の規定や規制や認可費用の下での起業
   2.雇用・解雇 
   3.契約の執行
   4.融資 
   5.破産もしくは業績低迷による廃業
   
   この成功例はアイルランドである。 1996年から大学教育は無料、法人税12.5% 柔軟な労働法で、この対応で新しい仕事が次々と生まれる。「最高の教育を受けた人々がいて、インフラが整っていて、政府が協力的なところに仕事は集まる。 

   自主的に変わろうとする各国の動きは、相互にいいものをもたらす。 

第四部 企業とフラット化する世界

   第十一章 企業はどう対処しているか
   ルールその1
   世界がフラット化してぺしゃんこにつぶされそうだと思ったら、スコップを持って内面を掘り起こせ。 壁を築こうとするな。
   ルールその2
   小は大を演じるべし・・・大物ぶるのが、フラットな世界で小企業が繁栄する一つの方法だ。 小が大を演じる秘訣は、より遠く、より速く、より深いところを目指し、共同作業の新しいツールを速やかに利用することだ。
   ルールその3
   小は大を演じるべし・・・顧客が大物ぶるように仕向け、自分は小物として振舞うすべを身につけるのが、大企業がフラットな世界で繁栄する一つの方法だ。
   ルールその4
   優良企業は優良共同作業者である。 フラットな世界では、多くの事業が企業内・企業間の共同作業によって行われるようになる。 理由はいたって簡単だ。 テクノロジー、マーケッティング、バイオメディカル、製造のいずれの分野でも、バリュー創出の次の段階はきわめて複雑になるから、独力でそれをマスターできる会社や部・課はどこにもない。
   ルールその5
   フラットな世界では、定期的にX線検査を受け、結果を顧客に売り込むことで、優良企業が健康体を維持する。
   ルールその6
   優良企業は、縮小するためでなく、勝つためにアウトソーシングする。 それは速やかに安くイノベーションを行うためのアウトソーシングであり、おおぜいを解雇して金を節約するのが目的ではない。 それによって成長し、シェアを伸ばし、いろいろな分野の専門家をより多く雇う。
   ルールその7
   アウトソーシングはベネディクト・アーノルズだけのものではない。 理想主義者のものである。   

第五部 地政学とフラット化する世界

   第十二章 フラットでない世界 - 銃と携帯電話の持込は禁止です
   国民が希望を抱く国には中流階級がいる。
   インドの農村部は、これからいかにグローバリぜーションをしてゆくのか、いい見本になるはず。
   アラブ、イスラムの壁は、グローバリゼーションの観点からは、逆行している。 そして、過激派に対して、イスラム世界では論陣を張ることを控えている。 このことが、イスラム過激派を孤立させ、戦闘的な集団としての活動を行わせている。 このままでは、イスラム世界はますます孤立するだけだ。

   第十三章 ローカルのグローバル化 - 新しい文化大革命が始まる
   前著「レクサスとオリーブの木」では、世界の文化に対するグローバル化の考察が十分できていなかった。 しかし、フラット化の持つ影響力の大きさが、2000年以降で比較できないくらい大きな影響を与えていることが分かる。 そしてそれはグローバル化=アメリカ化として捉えられてきた。 ところが、文化という面で考えれば、アップローディングは、自らの場所からグローバルに発信できることを意味する。 現在われわれはローカルをグローバル化する強力な手段をすでに手にしていることがわかる。

   グローバル化は新しい形でのコミュニケーションや、イノベーションをそこに含んでいる。 しかし、これは犯罪組織やテロ組織も利用できるという面も同時に考えておかなければならない。
   そう、文化大革命はまだ始まったばかりである。 ツールはiPodであるが。

   第十四章 デルの紛争回避理論 - オールド・タイム vs カンバン方式
   自分が買ったDellのLaptopのサプライチェーンの実態が分かった。 すべての部品が、どこから購入され、誰の手で組み立てられ、どうやって送られたか、時系列で追いかけることができた。国の経済がつながるほど、戦争のリスクは減るというのが私の持論だった。(言い換えると、マクドナルドが出店している国同士は戦争をしないということである) グローバルは貿易と生活水準の向上ということが進んでいる国々にとって、戦争の代償はあまりに高いということである。 台湾も中国からの独立という政治の選択肢は採らずに、現状の貿易や本土との関係(グローバルなサプライチェーン)を続けるほうが良いという選択をした。

   グローバルなサプライチェーンでは、顧客にとっての選択肢は多岐にわたるが、その中に組み込まれたビジネスは一瞬たりとも止められない。 だから、政治や戦争に巻き込まれては、ビジネスを失ってしまうリスクが大きくなる。 そうなると、グローバルのサプライチェーンは、ビジネスの円滑な運用を第一とするので、戦争や経済活動を阻害するような政治行動を極力避けることになる。 

   そのような利用法とは異なるが、オープンソースとグローバルサプライチェーンを使いこなしているのが、アルカイダである。 テロへの国際的なサプライチェーンを構築し、運用している。 インターネットが バベルの塔 と同じように目的が「神になること」であるとすれば、ビン・ラディンのような使い方になる。 しかし、お互いに意志を伝え、共同作業を行なう新しい能力を、正しい目的のために使わなければならない。  

最終回に続くーー

 

Technorati Tags:

このブログ内をタグ検索:

Comments:0

Comment Form
Remember personal info

Trackback:0

TrackBack URL for this entry
http://www.imanetinc.com/mt/mt-tb.cgi/414
Listed below are links to weblogs that reference
【本-01】 フラット化する世界(07) T. フリードマン from 八木博のシリコンバレービジネスブログ

Home > Optimization | インターネット | シリコンバレー | ネットワーク | ビジネス | 思想・哲学 | 教育 | 最適化 > 【本-01】 フラット化する世界(07) T. フリードマン

Search
Feeds

Page Top