- 2007-12-22 (土)
私はこの手の政治がらみの裏話の類の本はあまり読まないが、最後まで読んでみた
自壊する帝国を読み終えて、 すごく違和感を覚えたのは、外務省の管理体制ができていないということ。 この内容が事実とすれば、外務省は所属している人間に対しても、情報を吸い上げる仕組みを持っていないし、それを効果的に使うすべを知らないのではないかということ。
鈴木宗男氏とのコンビで、外務省に「不当な」情報操作や圧力をかけたといわれているが、むしろ私には外務省の指導力の欠如こそが原因だと思う。 ただ、現在問題になっている、防衛省の元事務次官の職権乱用に関する収賄の罪など、近代国家と呼ばれるのはすでのいやというほど経験し、そして「事後責任」を徹底的に問うことで対処している。 その意味では、日本の仕組みは、入り口は難しいが、結果は問わないという流れになっている。 (大学の入試も同じようになっているのは、日本人のメンタリティーがそこにあるということを表している)
人脈は大事であり、この本の中でも佐藤氏が懸命に築いているのは良くわかる。 しかし、ある意図を持った組織として動くにはそれだけ(一人の力だけ)で行うには、無理がある。(国のためになるように動くことが、外務省の役割なのだから、組織化できていないのはおかしい)
自壊する帝国は、ここではソ連のことであるが、組織というものが持つ、脆弱性という点では、日本の官僚組織も「自壊」しているのかもしれないと思った。
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