- 2007-12-03 (月)
Stanford大学で、客員研究員をされているときにはお会いする機会はなかったのが残念である。
ゴールドラッシュの「超」ビジネスモデルは、野口さんが、Stanford大学にいたときに、週刊新潮に連載されていたものである。 大学の先生だけあって、しっかりとデータの裏づけを取っている。 私も今まで知らないことが20%くらい瓦解したので、読んだ甲斐があった。 1848年にAmerican Riverで金を見つけたSutterさんは、晩年不幸な人生を送っていたということを、はじめて知った。 以前B&Bで宿泊したPlacervilleが、当時の中心地であるというのも、過去の記憶がよみがえってきて楽しかった。マリンバのポレーゼさんの話や、Netscapeの元気だった時代など、同じ時代を生きてきた実感を感じさせる。
結局のところ、日本経済の未来はどこにあるのかという点が、野口さんの最大の関心事であり、1848年からのGoldrushに相当する、大変な出来事が現在、シリコンバレーで起こっているということを、過去の事例と対比して、主張する内容である。 野口さんは、日本で「シリコンバレーの場の風」を感じることができればという表現で、伝えられないもどかしさを表現しているが、私も全く同感である。 しかも、1849年に始まったGold Rushは金探し自身は数年で終わってしまったことも書かれている。 それ以外のビジネスが、発展したというわけだ。 日本よ、チャンスを逃がすなというメッセージである。
昨日は昼から、もと米国に留学していて、日本の大企業に転職した人が、これからシリコンバレーに拠点を開くためにどうすればいいかという相談を受けたが、このような話がもっともっと増えると、日本の企業も、世界中で活躍できるのにと思う。 優秀な人に、楽しく仕事をしてもらう仕組みやKnow-Howを集積したところが、シリコンバレーですよと説明したけれど、実行に移すには、沢山の工夫がいる。 一つ一つしっかり組み上げて成果につないで欲しいと思った。
野口さんと私の違いは、危機意識は同じで、私はシリコンバレーに残ってそれをやろうとしているところかと思う。 内容は実に的を得たいい本である。 2005年の出版であるが、すでに中味が古くなっているところもあり、シリコンバレーの時間の速さを痛感する。
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