- 2007-12-21 (金)
IT革命に勝つ―異端技術とアントレプレナ 元SVMFの会長を勤められた田代駿二さんの本である。
今読んでも、日本に対するメッセージはあまり変わらないと思う内容である。 しかし、この本が書かれたのが2000年。 米国のバブルがはじける直前の内容である。
2000年以降、バブルがはじけている間、シリコンバレーは粛々と次の技術を確立し、布石を打ってきた。(正直なところGoogleが世界最大の広告会社になるなんて、私も想像できなかったが)
ただ、インドや中国の人たちが続々と本国に帰り、日本の大企業(とりわけ金融系や商社系そしてメーカー)が撤退した。 そこで、日本が違ったのはインドや中国に人たちはシリコンバレーに残った人たちとのパイプをつないでいて、本国でできる仕事につないだこと。 日本は「もう海外はこりごりだ。」と萎縮してしまったこと。
当時のシリコンバレーの雰囲気は「シリコンバレーも不況にはなるさ。 いつかまた良くなるさ。 だって、世界中それが可能なのは、シリコンバレーしかないからさ」という強がりで渡ってきた。 だれも、次に何が起こって技術や経済を引っ張ってゆくか、確信がもてなかったときでもそう考えるのである。
その期間に、日本はさらに空白を重ね、もはや空白の15年間といわれるまでなってしまった。 その流れの中、地元の日系企業団体の新年会の案内を見て驚いたが、円天とか言う詐欺集団に協力したといわれる昔有名だった歌手が来るらしい。 よく考えれば企業団体の活動すら疑われかねない見識のない話である。 お隣の韓国は、シリコンバレーでの展開に政府も本腰を入れて2000年以降も人を送りこんできた。ここでも差がついている。
出版された時期が時期ではあったが、この内容がそんなに昔のことでないことに気がつくと、まだまだシリコンバレーから学べることがあると思える。 このIT革命に勝つという本の続編が生まれることが、日本のチャレンジ精神を高めるため一つの起爆剤となるであろう。
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