【本】 トヨタ　愚直なる人づくり　井上久男

世界中のトヨタの工場の中で、一番良い品質の車を作っているのはトルコの工場である

というところから、この本トヨタ 愚直なる人づくり―知られざる究極の「強み」を探るは始まる。　シリコンバレーで一番売れている車はプリウスなので、トヨタの強さは良くわかるが、それが何に裏付けられているかというと「人づくり」であるという。 　井上氏が書いているようにトルコの工場はトヨタの教育もさることながら、もっと深いところでは1890年エルトゥールル号遭難事件で、日本人がトルコ人を 親身になって救ったことが、親日感情の源であり、トヨタの工場の中で世界一になる、一つの背景がうかがわれる。　人は「信頼」には「信頼」でお返しするものだ。（この部分は私の推定であるが、かなり確度が高い）

この本のキーワードをまとめると、次のようになる

どんな分野でも、超一流の人は自分の現状に満足しない。 トヨタも同じ
自分の頭で考え、考え抜く　そしてとことん議論する風土　
目標管理ではなく　方針管理
PDCAをきちんと回す
失敗からも、成功からもすべて学ぶ姿勢
社内の企画書、報告書、決裁書はA3文書1ページ
インフォーマルな活動を通じて、社員の声を吸い上げる仕組み
TOYOTA Production System（TPS)は、哲学　心に始まり、心に終わる

トヨタが求めるリーダー像　「知る」「分かる」「やり続ける」「教えることができる」
マネージャーの資質　
課題創造力 20％　課題遂行能力 30％　（実績につながる）
組織マネジメント力 20％　人財活用力　20％　人望 10％　（指導育成力）
トヨタの成果主義　能力の高い人間には、次々と試練を与える
知識習得、人脈構築、実績評価、人間として成長
それゆえ、トヨタの子会社社長は「お礼で仕事」　（某N社の子会社社長は「楽させてもらう」）の差になる

「何も変えないことは、最悪」

「窓を開けてみよ、世界は広いぞ」　　豊田佐吉生家の言葉