- 2007-10-07 (日)
シリコンバレーのビジネスでは、TOPを誰にするかがいつも大きなポイント
U先生から教えてもらった、冨山 和彦氏の書いた会社は頭から腐る―再生の修羅場で見た日本企業の課題という本は、やはり事業は上に立つ人が、すべての原因を作っているということを確認できる。日本語の「管理」という言葉は、Managementの訳だというけれど、どうも違っている気がする。 理由は、日本ではすぐに「人の管理」に目がくけられると思う。それも、勤務時間とか、職場ルールのようなところでのものが多い気がする。 米国では、仕事の管理という使われ方である。 いかにうまく仕事を進めるかがポイントである。 それゆえ、米国でのManager は、まずは人をいかにMotivateするかが第一で、自分の責任を明確にしながら仕事を進める。
冨山さんも、官が介入した組織である産業再生機構で仕事をして、すごく大変だったと思うが、カネボウやダイエ-の再建で、成果を上げてひとまず産業再生機構は解散した。 この本はその時の苦労話が書かれているわけである。 冨山さんの最初の仕事は「再建できる人を探すこと」「経営できる人を探すこと」 すべて人に絡む仕事である。 技術があろうと無かろうと、市場が成長していようといまいと、会社をを再建できる「社長」を見つけ、その会社をサポートしながら、立て直す作業である。
私が冨山さんに注目したのは「東大法学部卒」「ボストンコンサルティンググループを経験し」「Stanford MBA」という、米国でもみんなが狙いたがるキャリアを持った人が、成果を問われる「産業再生機構」に飛び込んだことである。 往々にしてこのような人は、「現場」より「経営者」と一体になって仕事をすることが多いが、それでは人間は成長できないし、企業は変えられない。 日本の企業再生をやっている人たちを沢山知っているわけではないが、留学経験を持つ人たちが多い気がする。 MBAの肩書きで仕事ではなく、MBAのネットワークを使い、現場で仕事をする人が増えると、少しは日本が変わるかもしれない。
冨山さんの心配点は「日本ではTOPができる人が育っていない」「それは、過去の経験を元にTOPを選んでいる今の仕組みに問題がある」「日本の将来は危ない」 私はこの言葉に強く共感する。 日本は危ない、アジアの国々、すでに中国、インドに抜かれ、韓国に抜かれ、いまやベトナムにも抜かれつつある。 これはシリコンバレーのモールの比較をすれば見えてくる。 今日本に必要なTOPは、単なるみこしに乗る人ではなく、みこしを設計して、どこを練り歩くのがいいのか、担ぐ人たちに訴えかけられる人である。
Technorati Tags: 冨山和彦 , 産業再生機構
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