- 2007-09-13 (木)
Openへの動きは加速する一方
というのが先週末から、いろいろなセミナーやミーティングに出席して感じたことである。 シリコンバレーがOpennessをキーワードに研究速度を上げ、開発スピードを上げ、ビジネスでは市場展開範囲を広げたのは紛れもない事実であり、そのモデルをあらゆる地域、あらゆる組織がまねをしようとして、未だどの一つも成功していない。 この原因は「Openness]の「実体験」の有無にあると(私は)思う。昨日は、JUNBAの理事会があったが、日本では考えられない議論が、Openに行われている。
それは「Open」の方がそれぞれの課題、あるいは今後の展開について「本質に関わる」アプローチができるのである。 この「本質に関わるアプローチ」がないと、結論は周囲の状況に振り回されることが多い。 これは、単なる個人の恣意によるブレということもあるし、解決というよりも「当面の対処」で切り抜けることが「非Open」では多々起こるからだと(私は)推定というよりもほとんど結論として持っている。 このことの本質は「非Open」の元で起こることは「部分利益極大化」「部分解決策」「当面対処の採用」であり、これは多くの場合「本質的な解決」と、反対になることが多い。
バブル崩壊に伴う「国の銀行融資」はその一つの例である。 銀行自身の持つ問題点を解決させることでなく「当面の延命策」で融資をしたが、銀行自身の「体質改善は依然として進んでいない」 銀行サービス時間は、数少ない例外を除いて相変わらず9:00-15:00. こんなことがおかしいことすら銀行経営者は「気がつかない」のである。 ただ、監督官庁から「指摘を受けないこと」が「仕事だ」と思っているのである。 私の利用している銀行など。合併してからもう3年はたつと思うが、オンラインバンキングは、合併前のシステムから変わっていない。 すなわち、元東京○菱銀行系とU○F系が未だ統合されていない。 「何のための統合」「統合メリットが出るの?」と素朴に思ってしまう。それを加速しない経営陣には「経営能力あるの?」と思ってしまう。
問題が発生すれば、それを解決するために「技術」は進歩する。「問題」を解決した「経験」は次の「問題解決」に大いに役に立つし、その経験こそ「根本的に社会を変化させる大きな力」なのである。 先週末のSingularity(人間より賢い人口知性の開発)のSummitでも、問題の解決を「あらゆる方向からのアプローチ」でやろうとしていたし、昨日のStallman(Freeソフトウエアの先駆者)の話も、Openにして、その力をより良いCommunityをつくろうではないかというのが、趣旨であった。 Openというのは「全員参加型」「経験相互利用型」「知的、技術的レベルの最大化」が図れる、概念である。 この概念は人間が発明した、人間でしかできない手法だと思える。 昨日も、大阪大学の学生さんたちが語学研修のあとシリコンバレーを回って、いろいろhな人の話を聞いていったけれど、Openを実体験する人たちがもっともっと増えて欲しいと思う。
今回、私が1997-2000年まで、まぐまぐで配信していた「週間シリコンバレー情報」というのを【復刻】しているが、Internetができてすぐの時に、シリコンバレーではInternetの将来の議論をしていたり、応用範囲を拡げる試みができたり、Openという考え方が、Internetで加速されてきている。 変化はチャンスと考えるのはきっとOpenの思想があるからであり、OptimisticというのもOpennessからしか生まれないと思う。 (なぜなら、隠れた問題が出てくることを想像するだけで、議論や考えは収束しなくなるから) 今、我々がやるべきことは「実例」を見えるようにすること、それも「全体最適化」の「成功例」をつくることがもっとも重要で急ぐことだと思う。
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