- 2007-09-14 (金)
Kさんは今をときめくG社の創立メンバーの一人で、マーケティングをやってきた方である。 日本のバイオベンチャーに関連する人にとっては、ものすごく中味の濃い話なので、私のところでとどめておくには忍びない。 お聞きすれば、Kさんご自身が外でお話しすることはほとんどないとのことで、それではあまりにもったいないお話なので私の責任で、ここに公開させていただく。
産業の黎明期は(誰も価値がわからないから)自分の判断で決めることが大切。 そうすると、世の中その通りになると言う経験。
・日本のバイオ関連の投資は「氷河期」を通り越して「万年雪」で凍り付いているので、米国で投資してもらえるならそれがいい。
・日本の製薬会社のブランド力も最近上がってきているので、 共同研究を進めるとよい
・日本の中小の製薬会社は、Cash Richだが、何をやったらいいのかわかっていないところが多い(研究開発予算も僅少)
・バイオベンチャーがいい提案をすると、Win-Winになれる可能性がある。
KさんはG社のあともバイオベンチャーを次々立ち上げてビジネス的に大きな成功を収めている。 そこで、日本のバイオベンチャーのCEOのとるべき道筋は
・日本人であることの強みをしっかり出す
・米国は(たとえベンチャーでも)いいものをScientificにしっかり見る基盤がある
・口コミで伝わるように、CEOは情報をしかるべきルートに流す
・SAB(Scientific Advisary Board)にはいい先生を選ぶ(が知恵をもらうには、工夫と英語力がいる)
・明るく外に出てしゃべる
・お金は、人集めの手段であり、研究加速のエンジン
・やれるときにやることを速いスピードでやれば、お金はついてくる
いやー、昔は自分中心で回ったけど、今は産業が確立して、ベンチャーのプロセスとかが固定化されてあまり面白くないんだ。 私には、あの時代の混沌のような状況が一番自分にあっていたと思う、と振り返るKさんでした。 確かに、現在Kさんが仕事でやっているベンチャーキャピタルも、ホームランがなくなり、手堅いものが中心になってきているとのこと。
それにしても、仕事で関係があった人たちとのネットワークの質と量にはびっくりさせられる。 シリコンバレーで、黎明期の産業が持っていた、素晴らしくピュアでエネルギーあふれる活動経験が今でも伝わってくる。 素晴らしいお話であった。
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