- 2007-08-08 (水)
稲盛和夫さんは私の尊敬する経営者の一人である。シリコンバレーでビジネスをスタートした人でもある
2年前に、鹿児島大学のVBL(ベンチャービジネスラボラトリー)のシリコンバレーオフィスの開所式で、稲盛和夫さんの講演を聞く機会があった。
印象に残ったのは京セラを設立して、やっとのことで試作品ができるとそれをきっちりと評価してくれたのが、シリコンバレーであったという言葉であった。
さらに稲盛さんは「シリコンバレーは京セラを育ててくれた場所であり、今日京セラがあるのは、シリコンバレーのおかげなんです。」といつもの穏やかな口調で語っていたことだった。
今日は、その稲盛さんが、企業経営者向けに開いている盛和塾の、勉強会の日。日本から戻ってきてすぐであったが、夕方から参加した。 今日の勉強内容は、2003年 盛和塾全国大会の講演DVDを聴講
講演内容は、いつものようにiMindMapを立ち上げて、自己流にまとめる。
あれだけの大企業になっての稲盛さんですら、中小企業の経営者、あるいは商売人のおかれている立場が、まだまだ文化人や評論家達から低く見られていることをとても残念がっていた。 その、ひとつの原因でもある企業不祥事の発生なども、多発していることを憂慮されていた。
しかし、経営者は今こそ、利他を考えるべきであると説いている。 自分ではなく、相手のこと、経営者であれば従業員であり、顧客であり、株主でもある。それをまず考えることから、経営の最初があると説く。 そして、論語や孟子の言葉を引き合いに出して説明された。
「君子は儀に諭り、小人は利に諭る」(君子は人の道から考えるが、小人は利欲から考える 論語)
「義は人の正路なり」(人のことを考えることが、人間の正しい道である 孟子)
「金も、名も、命も要らぬという人間は実に扱いにくい」(西郷南州)
このようなことは、すでに2000年以上前から脈々と言われ続けてきていたわけであるが、今でもその基本に立ち返る重要性があると言われていた。
DVD講演を聴いたあと、各自が感想や意見を述べる時間があったので、私はこのような話をした。
「東洋の、利他思想を一番実現している場所こそがシリコンバレーであり、人の生きる道を(利だけでなないことを)実践している場所も、シリコンバレーが世界で最先端だと思う。このポイントこそ重要で、日本の経営者がシリコンバレーから学べることはいくらでもあるはずである。 稲盛さんご自身もおっしゃっているように、シリコンバレーが人を作ったということこそ重要だと思います。」と。
会場にいた人たちの何割かは反応してくれたので、このブログを紹介しておいた。
これから、このブログも含めて、「私たちはどのように生きるか」そのためには、どんなことを学ぶべきなのかなどを、じっくりと考えてゆきたい。私としては、シリコンバレーでの日本人のパワーをもっと上げてゆきたいし、もっと知的にもレベルの上がる勉強や、ネットワークを作りたい。そして、それが一人一人の基盤を作り、成果を出すことにつながるのだと思う。
余談ではあるが、この2003年の講演の中で、民主党と自由党の連合の動きを支持したのが稲盛さんであったことが出てくる。先日の参議院選挙の結果とあわせると、良いことを継続的にすることの重要性が、示されていると思う。
シリコンバレーで言われるのは「成功する人たちに共通しているのは、成功するまであきらめないことであった」という言葉がある。会場には、すでに成功して、リタイアモードの方や、稲盛さんがシリコンバレーにいたときの日本食レストランのオーナー夫妻も参加していた。若いところでは、Interactive広告会社の若手がシリコンバレー拠点立ち上げ中であるし、自分で日本のカルチャースクールのお店をやろうという若夫婦もいたし、参加している人たちのポテンシャルは、従来のパターンとは違って、明らかに上がってきているんことがわかる。このエネルギーを、成果のある行動につなげたいものである。
iMindMapについては、お試し期間30日間で試せるので、一度触ってみてください。 http://www.imindmap.com 一度、このブログでも、書きたいと思っています。
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